入門

力士になるための入門条件!自分に合った部屋を探すポイントは?

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こんにちは!しんざぶろうです。

これから力士になろうと目指している場合、入門する際に条件はあるのか気になっている方も多いと思います。

実は私「しんざぶろう」は元力士で、入門時に「条件はあるのか?」「何をしたらいいのか?」と、悩みながら情報を集め、入門した経験があります。

今回の記事では、力士として7年間稽古に励んできた、この「しんざぶろう」が

  • 力士になるための入門条件
  • 自分に合った部屋を探すポイント

についてお伝えしていきます。

相撲界は一般社会にはない、独特な常識やルールが存在します。
そして、その常識やルールを知っている人は、あなたの周りに多くはいないはずです。アドバイスを受けようにも応えてくれるひとがいない。

そういった意味では、ふつうの社会人1年生とはわけが違います。
未知の世界に足を踏み入れるのですから、不安でいっぱいになりますよね。

そんなあなたの不安を少しでも解消できるよう、本記事は構成されています。
入門を考えているあなたに役立つ情報がきっと見つかると思うので、最後までお付き合いくださいね。

では最初に入門の条件からみていきましょう!

 

力士になるための入門条件とは?

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「よし!力士になるぞ!」って部屋探しから始めるのはいけません。
新弟子検査に合格できなければ、そういった行動がムダになってしまうからです。

では、その新弟子検査の内容を紹介していきますね。

新弟子検査の合格基準

  • 年齢:中学校卒業見込から23歳未満
    (日本相撲協会が指定しているアマチュア大会で一定の成績を残した者は25歳未満まで)
  • 身長:167cm以上
    (中学校卒業見込者に限り、165cm以上)
  • 体重:67kg以上
  • 性別:男
  • 日本相撲協会が指定する医師の診断で問題がない

*2020年10月現在。検査基準は変更される場合があります。

 

条件に当てはまった人へのアドバイス

僕が入門した当時は、現在よりも条件が厳しく、

  • 身長:173cm以上
  • 体重:75kg以上

でした。

何が言いたいのかというと、力士の体格は年々大きくなってきています。
しかし検査の基準は緩和されている。
ということは、検査基準と実際の力士の体格差は広がっているといえます。

現基準でギリギリ通過するという人はかなり不利です。
小兵力士でも活躍している方もいますが、人一倍努力をされていることでしょう。

後悔しないためにも「ギリギリ通過する」という方は、そういったハンデがある事を十分に理解した上で決断したほうが良いでしょう。

条件に当てはまらなかった人へのアドバイス

「検査に通過できそうにない。でもどうしても・・・」という、方もいるかもしれませんね。
そういった場合「力士」という、こだわりを捨てるのも一つです。

相撲界には「行事」「呼び出し」「床山」といった、相撲には欠かす事のできない職種の人達がいます。こういった職種を選択することで「相撲界」に携わることが可能なので、検討してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、

  • 行事・・・相撲の勝敗を判定する人
  • 呼び出し・・・対戦する力士の名前を呼びあげる人
  • 床山・・・力士の「まげ」を結う人

すご~く簡単ですが、おおまかにこのような職種です。
いずれも相撲部屋に所属して、力士たちと共に生活をしていきます。

*力士と違い定員あるようです。
希望しても退職者が出ないと入門できないので注意してください。

 

自分に合った相撲部屋の選び方

「現役時代好きだった親方のもとで!」
「憧れの関取がいる部屋で!」

と考えている人もいると思います。
しかし、ちょっと待ってください!

現役時代に強かった親方が「指導者」として優れているとは限りません。
また、憧れの関取がいる部屋に入るのも良いかもしれませんが、憧れているだけでは強くなれません。

一番に考えなくてはいけないのは、「自分が強くなれる環境はどの部屋か?」という事です。

それでは順番にポイントを紹介していきますね。

自分と相性が良い「親方」を選ぶ

人間には相性というものがあります。
誰が悪いという事ではなく、どうしても「反りが合わない人」は存在します。

それが師匠である「親方」となると、稽古環境としては最悪でしょう。
強くなれる素質があっても「出世できなかった!」という事にもなりかねません。

なので、100%親方を理解する事は不可能ですが、自分の目で見て判断する事は必要だと感じています。
実際に会うと、テレビ越しでは伝わらない雰囲気や人となりを感じる事が出来るからです。

僕がおすすめする方法は2つあります。

1.稽古を見学する

ほとんどの相撲部屋が稽古を見学できるようにしています。
連絡や予約などは必要ありませんので、気軽に見学してみてはいかがでしょうか?

部屋の雰囲気や親方の人となりが感じ取れるので、自分に合っているか知ることができますよ!

日曜日は休みという部屋も少なくないので、見学するのであれば平日の午前中がいいでしょう。確実に見学したい方は、部屋に連絡して確認してみて下さいね。

2.千秋楽パーティーに参加する

本場所が終わる「千秋楽」の夜には、どこの部屋でも打ち上げパーティーを行います。
パーティーに参加すれば、親方や力士たちと気軽に会話する事ができるので内情を知ることができるでしょう。

しかし、千秋楽パーティーに参加するには、事前の予約やチケットの購入といった「会費」が必要になります。そして、人気がある部屋ともなると「後援会」の加入が必要になる場合もあるかもしれません。

もし気になる部屋がありましたら、事前に各部屋のホームページを確認してみましょう。

関取がいる部屋が良い!?

関取がいる部屋の最大のメリットは何と言っても「強い人と稽古ができる」という事でしょう。そして、親方が不在の場合は関取が指導を担う場合もあります。

親方・関取からアドバイスを受けられるので、自分が早く成長できる環境といえるのかもしれません。親方や関取がいるだけで稽古場に緊張感が漂うので、気を引き締めて稽古に励むこともできます。

ただ、関取がいるという事は「付き人」を担う可能性があります。
(親方にも付き人が付きます)

毎日の稽古に加えて、関取の雑務をこなす必要が出てくるのです。
当然、地方巡業にも加わるので、自分の自由な時間は確実に少なくなるでしょう。

しかし、付き人がデメリットかと言われれば一概にそうとも言えません。
関取の付き人を行う事で、本場所・巡業と相撲界全体をみる事ができます。

自分が相撲界で生きていこうとするのであれば、早めに体験しておいた方が良いのかもしれませんね。

関取のいない部屋が良い!?

幕下以下だけの関取のいない部屋は、監視の目が少ないと言えます。
例えるならば、先生のいない教室。自習時間をイメージしてください。

そういった「生徒」だけの時間が多いと、やっぱりふざけてしまう人間が出てきてしまいますよね?
自分は「真剣に稽古したいのに!」と思っても、そういった雰囲気にならない場合もあるかもしれません。

しかし、自分と同じ力量の相手との稽古は「本場所」さながらの稽古が可能になります。
遠慮することなく全力を出し切る事ができ、いろいろな技や駆け引きを試すこともできます。どうやったら勝てるのか、考えながら稽古する事が可能でしょう。

このように、お互いが切磋琢磨して高みを目指す、良い関係を作ることができれば最高の稽古環境と言えるかもしれません。

 

まとめ

今回は「力士になるための入門条件!自分に合った部屋を探すポイントは?」という事で、僕の体験談をもとに、ご紹介させていただきました。

どんな部屋でもメリット・デメリットはありますが、感じ方は人それぞれだと思います。
部屋の特徴を理解して「自分の性質に合う」環境を選んでください。

自分がどんな環境であれば頑張ることができるのか、この機会に考えてみてくださいね。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回も「しんざぶろうの情報メディア」でお会いしましょう。