元力士しんざぶろうのプロフィール
はじめまして。元力士のしんざぶろうです。
16歳で高校を中退して相撲部屋に入門し、23歳で引退するまで、約7年間を力士として過ごしました。最高位は序二段です。
このブログでは、大相撲の仕組みや相撲用語、相撲部屋での生活について、当時の自分の経験と資料で調べた情報を分けながら解説しています。
しんざぶろうのプロフィール
まず、力士としての経歴を簡単にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 筆名 | しんざぶろう |
| 入門 | 16歳(高校を中退して相撲部屋へ) |
| 引退 | 23歳 |
| 在籍期間 | 約7年間 |
| 最高位 | 序二段 |
| 経験したこと | 相撲部屋での共同生活、朝稽古(四股・股割り・ぶつかり稽古)、ちゃんこ番、前相撲、新序出世披露、本場所、関取の付け人 |
| 現在 | ケアマネージャーとして働きながら、自分の経験と資料をもとに相撲の記事を書いている |
16歳で相撲界へ入門
僕が相撲に憧れたきっかけは、子どものころの若貴ブームでした。本場所の中継だけではありません。ニュースや密着番組で若乃花と貴乃花が取り上げられるたびに、テレビの前で見ていました。
その憧れのまま高校を中退し、16歳で相撲部屋の門をたたきました。
ところが、実際に入門すると、テレビで見えていた土俵の上だけが相撲界ではないことに、すぐ気づきます。相撲部屋には朝稽古があり、兄弟子との上下関係があり、新弟子には掃除や雑用も回ってきます。
僕がテレビの前で憧れていた相撲と、実際に中へ入って知った相撲。この二つを経験したことが、今の記事を書く土台になっています。
相撲部屋で過ごした7年間
相撲部屋での7年間には、朝稽古だけでなく、ちゃんこ番、付け人、本場所など、さまざまな経験がありました。ここでは、その中から4つに分けて紹介します。
朝稽古と基本動作
僕がいた部屋では、朝稽古は四股から始まりました。三番稽古の前に、準備運動として四股を100回ほど踏み、すり足やてっぽうも含めて30分ほどかけて体を動かしていました。
股割りは苦手でした。もともと股関節が硬く、毎日続けるうちに腰はある程度割れるようになりましたが、最後まできれいに割れるようにはなりませんでした。
ぶつかり稽古では、胸を出す側に回るのが嫌いでした。僕は体が小さく軽かったため、土俵際で残れなかったからです。
こうした「うまくできなかった側」の感覚も、記事では隠さずに書いています。四股については、こちらの記事で詳しく書いています。
ちゃんこ番と兄弟子との生活
相撲部屋では、力士たちが同じ場所で生活します。番付発表のたびに付け人をやるかちゃんこ番をやるかが決まり、僕はどちらも経験しました。
ちゃんこ番では、毎日の食事を作ります。この経験が、今の料理好きにもつながっています。
一方、兄弟子との上下関係は、番付だけで決まるものではありませんでした。稽古場の外でどう動けばいいのか、兄弟子にどう接するのか。最初から丁寧に教えてもらうというより、怒られたり失敗したりしながら覚えていったことのほうが多かったです。
幕下以下の力士がどんな一日を送り、休日をどう過ごしていたのかは、こちらの記事で書いています。
前相撲から本場所へ
初めて本場所の土俵に上がったのは、前相撲でした。僕は3勝して三番出世になりました。
同期の中には、3勝に届かないまま出世披露を迎える力士もいました。だからこそ、自分は3勝して披露の日を迎えられたことに、胸をなで下ろしたのを覚えています。
新序出世披露では、師匠の化粧まわしを借りて土俵に上がりました。兄弟子たちが締めてくれた化粧まわしは重く、その感覚は今でも覚えています。
その後、約7年間、本場所の土俵に上がり続けました。最高位は序二段です。三段目まであと一勝という取組で、緊張して何もできないまま負けたこともあります。
出世披露の日のことは、化粧まわしの記事で詳しく書いています。
関取の付け人
僕は1年ほど、関取の付け人も経験しました。朝は、関取を起こすところから始まります。
頼まれた時間に起こし、まわしを付ける。稽古場では汗や砂をタオルで拭き、本場所では土俵入りの化粧まわしや、取組で使う締め込みを付ける手伝いもしました。一日を通して、気が休まることはなかったと思います。
僕が付け人の仕事を内側から書けるのは、この1年間の経験があるからです。
力士を辞めてから気づいたこと
相撲界にいたころは、後悔することのほうが多かったです。思うように出世できないまま23歳で引退し、その後の生活も順調だったわけではありません。
相撲部屋の外に出て、変わったこと
まず戸惑ったのは、お金と時間の感覚でした。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 相撲部屋にいたころ | 社会に出てから | |
|---|---|---|
| 食事と寝る場所 | 部屋にある。手元にお金がなくても、その日の食事と寝る場所はあった | 家賃も光熱費も、自分で払う |
| 働く時間 | 稽古は厳しいが、稽古のあとは部屋の仲間と過ごす時間があった | 朝8時に出勤して、平均4時間ほど残業。帰って寝るだけ |
右側の生活は、引退後に派遣社員として工場のラインで働いていたころのものです。数か月続けたとき、
「相撲界の外にも、相撲界とはまったく違う種類の苦しさがあるんだ」
と実感しました。
「力士になんてならなければよかった」
そう思っていた時期もあります。
20年以上たって、いま思うこと
それでも、引退から20年以上がたち、相撲部屋で過ごしたころを懐かしく思うことも増えました。
あの7年間を「すべて良い経験だった」と言い換えるつもりはありません。つらかったことも、後悔したこともあります。ただ、今振り返ると、相撲部屋で暮らした7年間が自分に与えたものも大きかったと思えるようになりました。
後悔がなくなったのではなく、あの時間の受け取り方が変わった。今は、そう考えています。
引退後に感じた時間やお金の違いについては、こちらの記事で詳しく書いています。
このブログを始めた理由
相撲について検索すると、番付の仕組みや記録、相撲用語を解説した記事はたくさん見つかります。一方で、実際に相撲部屋で生活した人が、次のようなことまで書いたものは、僕が探した範囲では、それほど多くありませんでした。
- そのとき何をしていたのか
- どう感じていたのか
- テレビには映らないところで何があったのか
入門前の僕自身も、相撲界のことを少しでも知りたい読者の一人でした。少ないお小遣いで月刊『相撲』を買い、テレビや本から相撲部屋の中を想像していました。
今このブログを読んでくださっている方の中にも、当時の僕と同じように、
「相撲界の中って、実際はどうなっているんだろう」
と思っている方がいるかもしれません。
だから、自分が実際に経験したことを、一般的な相撲の情報と組み合わせて伝えたい。そう考えて、このブログを書いています。
相撲を最近知った方にも、長く見ている方にも、土俵の上だけでは見えにくいところまで含めて、相撲を少し身近に感じてもらえたらうれしいです。
記事を書くときに大切にしていること
このブログでは、自分の経験を強みにしたいと思っています。同時に、「元力士だから全部知っている」という書き方はしないようにしています。記事を書くときは、次のことを大切にしています。
- 自分が経験したことと、資料で調べたことを分ける。体験については「僕の場合は」と分かるように書きます
- 記録・番付・制度・現役力士の情報は、日本相撲協会の公式サイトや『相撲大事典』などで確認する
- 自分がいた部屋の経験を、相撲界全体の決まりのように書かない。僕が直接知っているのは、自分がいた部屋と、その時代のことです
- 相撲を知らない方にも分かる言葉で説明する
- 元力士だからこそ書ける感覚は、できるだけ具体的に残す。うまくできなかったことや失敗した経験も削りません
書ける範囲
僕自身が力士として経験したのは、序ノ口から序二段までです。関取として本場所の土俵に上がった経験はありません。だから、関取の生活について書くときも、付け人として自分が実際に見聞きしたことと、資料などから知ったことは分けています。
横綱や大関についても同じです。自分が経験していないことを、元力士という肩書だけで体験談のように書かない。この線引きは、これからも大切にしていきます。
現在のしんざぶろう
現在は、ケアマネージャーとして働きながら、このブログを書いています(2026年10月時点)。相撲を引退したあと介護の仕事に入り、介護福祉士の資格を取れたことは、
「相撲以外でも、自分にできることがある」
と思えるようになったきっかけの一つでした。
趣味と家族
- 料理:ちゃんこ番を経験したこともあり、今でも好きです。冬になると、家でもよくちゃんこ鍋を作ります
- 家庭菜園:枯らしてしまうこともありますが、少しずつ変化していくのを見るのが楽しみです
- 漫画・アニメ・ゲーム・キャンプ
家では、息子と二人で暮らしています。息子がまだ小さいころには、一緒に相撲を見に行ったこともありました。最近は格闘ゲームで対戦しても、息子に勝てません。
X(旧Twitter)でも、相撲について発信しています。⇒ @shinzabu22
相撲漫画については、自分が読んだ作品の思い出も含めて記事にしました。
読者の方へ
このブログは、相撲ファンの方はもちろん、
「最近、相撲に興味を持った」
「番付や相撲用語がよく分からない」
「相撲部屋ではどんな生活をしているのか知りたい」
という方にも向けて書いています。
僕は横綱でも、大関でも、関取でもありません。最高位は序二段です。それでも、16歳から23歳まで相撲部屋で暮らし、序二段の力士として稽古をし、本場所に上がり、ちゃんこ番や付け人も経験しました。
だからこそ、上位力士の記録だけでは見えない、番付の下にいた力士の日常を書けると思っています。
元力士として自分が経験したことは、できるだけ具体的に。自分が知らないことは、分かったように書かない。その姿勢で、これからも記事を増やしていきます。
このブログを読んだあと、次に見る相撲が少し身近に感じられたらうれしいです。
なお、当ブログをご紹介いただいたサイトは、こちらのページにまとめています。









