こんにちは!しんざぶろうです。
「そろそろ相撲以外の道を考えないと・・・」
「相撲をやめたけど、やりたい事がない。」と、悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
そこで今回、元力士「しんざぶろう」がお伝えする内容は、
・力士の引退後の生活
・第2の人生を乗り越える大事なポイント3つ
について紹介いたします。
引退後に相撲界に残れるのは、ほんの一握りの力士です。
関取経験のない人間は、ほぼ100%相撲界を去ることになるでしょう。
そして相撲界しか知らない「元力士」が、一般社会に出て苦労するのは必然といえるかもしれません。そんな経験を僕もしてきました。
今回の記事は、あなたがそうした苦労を少しでもしなくても良いよう、僕の経験を踏まえてアドバイスしていきます。
ぜひ、最後まで読んでくださいね!
力士の引退後の生活
相撲の華やかさにあこがれて「横綱になりたい!」と、希望に満ちて入門したとしても、そのほとんどが十両にも上がることもできません。
そして、入門する力士の多くは中学卒業して相撲部屋の門を叩きます。
逆をいえば、相撲界を去るほとんどの人間が、社会経験ゼロの状態で働き始めることになるという事です。そして学歴も義務教育までとなれば、仕事の選択肢も限られてしまいます。
相撲界にいれば、お金がなくても「衣・食・住」に困ることはありませんでした。
しかし、引退すれば生活のために、生きていくために、すぐにでも働かなくてはなりません。そういった現実が待っている事をまずは理解しておきましょう。
では相撲界をあとにたら、どんな進路をたどる人がいるのか、僕の周りにいる人たちのケースを3つ紹介していきます。
ケース1:ちゃんこ屋の経営
第2の人生として、一番多いのが「飲食店」に勤める人です。
やはり当番制とはいえ、あの大人数で大食漢の胃袋を満たすだけの「ちゃんこ」を作るのです。料理にたずさわる時間は稽古の次に長いので、自然と選択肢に浮かぶのでしょう。
そして、料理の道を選んだ人の数割が「ちゃんこ屋」開業を目指します。
「ちゃんこ屋」ルートでの定番は、居酒屋や小料理店に勤務して、どんな風に経営されているのかを学びながら、ちゃんこ屋の開業資金を貯めていきます。
僕の親しい兄弟子は、300万円が貯まったところで「ちゃんこ屋」を開業しました。
何度か遊びにいきましたが、繁盛していて鍋もおいしかったです。
ケース2:介護業界
これは僕の話です。
介護の仕事は、基本的に「学歴:義務教育、資格:不問」です。
厳密に言うと、資格はホームヘルパー2級(現在の介護職員初任者研修に相当)はあった方が良いとは思いますが、必須ではありません。
そして、世間では低賃金として騒がれていますが、僕の選択できる仕事の中では一番「好待遇・高賃金」だったのです。
なにより周りから「やさしい」と評されることが多く、介護は力が必要という情報も持っていたので、「やさしくて力があるから自分にピッタリだ!」と、勘違いして介護業界に入りました。
まぁ、やさしいだけでは介護は務まらないという事がすぐにわかりましたが、それでも10年以上続けています。
向き不向きが強い業界ではあると思うので、選択肢の一つに考えてみてください。
ケース3:親方、後援会の紹介
親方や後援会の紹介で、運送会社や製鉄所などから声がかかる場合もあります。
こうした身体を使う業界では、力や体力があり、上下関係の厳しい世界で生きてきた「元力士」の需要は高いと感じます。
しかし、注意が必要です!
「目上の人間に従う」という世界で生きてきたのです。
上司や会社側のいう事には、よっぽど理不尽な事がない限りは従うと思うので、扱いやすい人間といえます。悪く言えば利用しやすい・・・。
しかも、紹介で入社を決めると「親方や後援会の顔を潰すわけにはいかない」と思ってしまうでしょう。そうなると、自分には合わないと感じても「辞める」と言えず、ズルズルと続けてしまう可能性が高いです。
ですので、個人的にはこういったケースは、おすすめしません。
しがらみのない、新しい世界でがんばった方が良いと思います。
第2の人生を乗り越える3つのポイント
1.相撲界ルールは通用しない
相撲界では基本的に仕事は「見て覚えろ!」という雰囲気があります。
そして、新弟子(後輩)が雑用を行うのが基本です。飲食店に入ったら、箸やおしぼり、店員へ注文などなど、すべて新弟子が行います。
しかし、それを社会に出てからも他人に強いるのはいけません。
最初の一年目は先輩が可愛がってくれるでしょう。
雑用をなんでも快くこなしてくれるのですから。
でも、あなたの後輩になった人間はどうでしょうか。
もしかしたら、あなたの事を後輩は「こわい」「パワハラだ!」と、上司や同僚に訴えるかもしれません。そうなれば職場で孤立し、つらい立場に立つ事が予想されます。
そうならないためにも「相撲界でのルールは通用しない」と、肝に銘じましょう。
2.自分に自信を持つ
関取になれず相撲界を去る者として、どうしても拭うことができないのが「出世する事ができなかった」という思いです。
そうした思いにかられると、どうしても「出世できなかった=能力が低い=自分はダメな人間」という、マイナスな思考になってしまいます。
しかし、相撲界の厳しい上下関係や稽古に耐えてきたのですから、胸を張っていいと思います。出世できなかった現実を変える事は出来ませんが、その経験を活かして意味のあるものに変換する事は出来ます。
相撲界で何を学んだのかをじっくりと考え、意味のある過去に変えてください。
僕もやっとそのことに気がついて、こうしてブログを始めています。
自分の過去に誇りを持って、一緒にがんばっていきましょう。
3.計画的に行動する
仕事を探す時によくあるケースで「今の自分に選ぶ事が出来る仕事」で選択してしまいます。そして、その仕事に満足して何年も経過してしまう。
選んだ仕事を「自分の天職だ!」と、生涯を通して勤めるのであれば問題ありません。
しかし「やっぱり自分には合わないかも・・・」となってしまうと、ストレスを抱えながら仕事を続けることになります。
ただでさえ少ない選択肢が、年齢を重ねてしまうとさらに狭くなってしまい、身動きが取れなくなってしまうからです。
そうならないためにも、今の自分ではなく「将来はこの仕事をしたい」という、ビジョンを持つことが重要です。
そのビジョンを現実とするために「どんなスキルや勉強が必要なのか、今は何をしたらいいのか」常に考える事が必要です。
そもそも「何がしたいのか、わからない」という人もいるでしょう。
そういう人の方が多いのかもしれません。
そんな人は、とにかく色んなジャンルの書籍をたくさん読んでください。
「何がしたいかわからない」という状態は、知識がないからです。
僕も偉そうなことは言えませんが「たくさん本を読んだ」からこそ、今こうしてブログが書けていると思っています。
まとめ
今回は「力士の引退後の生活は?第2の人生を乗り越える大事なポイント3つ」
という内容で僕の体験をもとに、ご紹介させていただきました。
現役時代は、目の前の事が精一杯で将来のことなんて考えられませんよね。
将来を考えるとすれば「関取になった自分」ですから。
第2の人生を考えていたら、力士は務まりません。
でも、この記事を読んでいるあなたは考えなければならない時期なのでしょう。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回も「しんざぶろうの情報メディア」でお会いしましょう。