相撲雑学

大相撲のタニマチ特集!有名人・芸能人を片っ端からまとめてみたよ

僕の現役時代にも、いろんな形で支援してくれた「タニマチ」さんがいました。疲れた体にありがたかった、鍼灸やマッサージの無償施術、銭湯の無料開放、そして飲食店での格安提供など…。

力士にとっては、そうした日常の支えこそが、何よりの活力源。華やかな土俵の裏側には、こんなふうに静かに寄り添ってくれる人たちがいるんですよね。

こんにちは!元力士のしんざぶろうです。

「タニマチ」と聞くと、なんだか遠い世界の話に思えるかもしれません。でも実は、あなたがテレビで見たあの芸能人も、土俵のすぐそばで相撲界を応援している「支援者」だったりするのです。

この記事では、化粧まわしを贈るような熱心なタニマチから、SNSやメディアを通じて相撲愛を発信しているファンまで、さまざまなかたちで力士や相撲界を支える有名人たちにスポットを当ててご紹介します。

ぜひ最後までお付き合いくださいね。

相撲観戦大好き さくら
相撲観戦大好き さくら

化粧まわしって、たしか何百万もするって聞いたことあるけど、そんな高価なものをプレゼントするなんて…。

いったいどんな人たちが、どんな思いで力士を支えているのか、すごく気になるわ!

この記事を読んでわかること
  • 相撲界で有名なタニマチ(支援者)たちの実像
  • 芸能人による相撲観戦やSNS投稿など、話題の応援スタイル
  • 相撲文化を支える著名な文化人たちの貢献
  • バブル時代の豪華な支援エピソードとその力士たち
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力士を支える「有名」タニマチたち

相撲界で「タニマチ」といえば、個人の力士や部屋を長年にわたって支える特別な存在。その中には、一般の支援者だけでなく、芸能界や財界で活躍する著名人も数多く含まれています。

ここでは、化粧まわしの提供から精神的な支えまで、力士たちに深く関わってきた「有名タニマチ」たちをご紹介します。華やかな土俵の裏側で、どのような支援が行われてきたのか、その一端をのぞいてみましょう。

有名タニマチ一覧
  1. 木原秀成(きはら しゅうせい)
    ・職業:蓮華院金剛寺座主
    ・贔屓力士:日馬富士(元横綱)
  2. 高須克弥(たかす かつや)
    ・職業:高須クリニック院長
    ・贔屓力士:豊昇龍(横綱)・錦木(最高位:小結)
  3. 細木数子(ほそき かずこ)
    ・職業:占術家・作家・宗教家
    ・贔屓力士:朝青龍(元横綱)
  4. デヴィ・スカルノ
    ・職業:元インドネシア大統領夫人・タレント
    ・贔屓力士:琴櫻(大関)
  5. 山本英俊(やまもと ひでとし)
    ・職業:フィールズ会長
    ・贔屓力士:千代の富士(元横綱)・九重部屋
  6. 佐川清(さがわ きよし)
    ・職業:佐川運輸
    ・贔屓力士:特定の力士ではなく、相撲界全体への支援で知られる
  7. 浅田満(あさだ みつる)
    ・職業:ハンナン創業者
    ・贔屓力士:北の富士(元横綱)・九重部屋
  8. 橋本成一郎(はしもと せいいちろう)
    ・職業:実業家(バー・キャバレー経営)
    ・贔屓力士:北の富士(元横綱)・大鳴戸親方(元関脇・高鐵山)
  9. 泉井純一(いずい じゅんいち)
    ・職業:泉井石油商会創業者
    ・贔屓力士:千代の富士(元横綱)・北勝海(元横綱)など
  10. 佐治敬三(さじ けいぞう)
    ・職業:サントリー元会長
    ・贔屓力士:若貴兄弟(元横綱)

木原秀成(蓮華院金剛寺の座主)

力士がタニマチから絵画を贈呈されているイラスト広島県の名刹・蓮華院金剛寺の座主を務める木原秀成氏(2025年現在80歳)は、日馬富士(当時は安馬)が三役に昇進したばかりの頃から支援を始めたタニマチです。僧侶という立場から、物質的な支援だけでなく、精神面での支えにも重きを置いてきました。

場所中は毎日欠かさず激励メールを送り、日馬富士も律儀に返信。テレビ越しに力士の表情から疲労や緊張を読み取り、タイミングを見計らって気分転換の食事に誘うなど、絶妙な距離感と心配りで支えていたといいます。

日馬富士が引退を決意した深夜、木原氏のもとに直接電話が入ったというエピソードは、2人の深い信頼関係を象徴しています。

高須克弥(高須クリニック院長)

高須クリニック医院長風のイラスト美容外科「高須クリニック」の院長として知られる高須克弥氏(1945年生まれ)は、相撲界でも名の知られた熱心な支援者のひとりです。

豊昇龍、錦木のタニマチとして知られ、化粧まわしの贈呈や懸賞金の提供などを通じて力士をバックアップしています。

特に豊昇龍との関係は深く、大関昇進時には漫画家・西原理恵子氏デザインの化粧まわしを贈呈。さらに横綱昇進時にも、自身のSNSで「横綱化粧まわし注文なう」と報告するなど、相撲ファンの間でもたびたび話題になっています。

また、2010年初場所では故・野村沙知代氏の勧めで、朝青龍の全取組に合計270万円の懸賞金を出したことでも注目されました。

細木数子(占術家・作家・宗教家)

朝青龍と細木数子風のイラスト細木数子さん(1938年生〜2021年没)は、テレビで一世を風靡した占術家として有名ですが、相撲界では横綱・朝青龍のタニマチとしても広く知られています。

その支援ぶりは規格外で、7000万円ともいわれるロールスロイスや、1000万円相当の化粧まわしをプレゼントしたという逸話が残っています。2005年の優勝インタビューでは、なんと本人が朝青龍の隣に堂々と座り、報道陣の前に登場したことも大きな話題となりました。

細木氏は「朝青龍は息子のような存在」と語り、2004年頃から関係を深めたといわれています。相撲の技術はもちろん、「礼儀」や「内面の強さ」に注目していたようで、精神的な支えとなる存在でもありました。

デヴィ・スカルノ(元インドネシア大統領夫人・タレント)

デビィ夫人風のイラストデヴィ・スカルノさん(2025年現在85歳)は、かつてインドネシアのスカルノ大統領夫人として知られた人物であり、日本では長年にわたりタレント・文化人として活躍してきました。相撲界では、大関・琴櫻を熱心に応援するタニマチとしても知られています。

2025年初場所では、「デビィスカルノ」とカタカナで刺繍された特注の化粧まわしを琴櫻が締めて土俵入りしたことが話題に。水色を基調に、龍と桜をあしらった華やかなデザインが注目を集めました。

また、国技館の向こう正面での鮮やかな服装での観戦姿もおなじみで、真紅のドレスや白いスーツ姿などがテレビ中継に映り込むたび、SNSでは「デヴィ夫人がまた映ってる!」と話題になることがあります。

山本英俊(フィールズ会長)

山本英俊風のイラスト第58代横綱・千代の富士を支えたことで知られる、パチンコ機器大手「フィールズ」会長の山本英俊氏(2025年現在69歳)。昭和から平成にかけての相撲界を影で支えた、まさに「名物タニマチ」のひとりです。

現役時代の千代の富士に惚れ込み、プライベートでも親交を深めながら金銭面や活動面での支援を続けていました。千代の富士の引退後は、九重部屋の後援会会長として部屋の運営を支えた実績があり、千代大海(現・九重親方)との親交も深いことで知られています。

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佐川清(佐川急便創業者)

佐川清風のイラスト日本一の「タニマチ」と呼ばれた伝説的支援者で、「タニマチ」という言葉を全国に知らしめた存在といえば、佐川急便創業者の佐川清氏(1922年生~2002年没)をおいて他にいないでしょう。月収1億円とも言われた豪腕経営者であり、相撲界をはじめ、政界・芸能界・スポーツ界に至るまで幅広く支援したことで知られています。

相撲界との関係も取り沙汰されており、その影響力は一部週刊誌や評論家の間でも語り継がれるほど。ただし、特定の力士を個人的にサポートしていた記録は明確ではなく、業界全体やイベント単位での支援だったと考えられています。

浅田満(ハンナン創業者(現:ハニューフーズ))

浅田満風のイラスト大阪の食肉卸売業で「食肉の帝王」と呼ばれた実業家・浅田満氏(2025年現在86歳)は、相撲界との関わりも深かった人物です。特に昭和〜平成初期にかけて、九重部屋と強い関係を築いていたことで知られています。

元横綱・北の富士が師匠を務めていた12代九重時代から、浅田氏は九重部屋と関わっており、政治家・鈴木宗男氏とともにタニマチ的な立場で部屋を支援していたとされます。

また、元幕内・若の富士(斎藤昭一)が浅田氏の長女と結婚したことをきっかけに、相撲界との縁がさらに深まりました。さらに、浅田氏は第61代横綱・北勝海(現・八角理事長)の結婚式で仲人を務めたエピソードもあり、部屋関係者からの信頼も厚かったようです。

泉井純一(泉井石油商会創業者)

泉井純一風のイラスト大阪を拠点とする実業家・泉井純一氏(1936年生~2024年没)は、九重部屋を支えた有力タニマチのひとりです。経営していた「泉井石油商会」の立場を活かし、第58代横綱・千代の富士、第61代横綱・北勝海、元幕内・若の富士らに対し、大阪場所を中心に幅広い支援を行ってきました。

後援会会長として部屋を支える傍ら、自身の著書『夢のまた夢—ナニワのタニマチ』では、相撲界や政界・芸能界との交流を語り、豪快なエピソードを数多く残しています。

さらに、九重部屋に限らず、第65代横綱・貴乃花への支援も行っていたとされており、多方面にわたって「タニマチ」として存在感を示していた人物でもあります。

なお、先述したフィールズ会長・山本英俊氏が九重部屋の後援会に深く関わるようになる以前は、泉井氏がその中心的な支援者であったものと考えられます。

佐治敬三(サントリー元会長)

佐治敬三風のイラストサントリーの元会長で、実業界・文化界に多大な影響を与えた佐治敬三氏(1919年生〜1999年没)。相撲界では特に「若貴兄弟(若乃花・貴乃花)」のタニマチとして知られていました。

若乃花の結婚時には媒酌人を務めるなど、家族ぐるみの深い交流があり、力士との親密な関係は当時の報道でもたびたび話題となりました。企業人としての立場からも、相撲と社会・文化をつなぐ独自の役割を果たしており、貴乃花が出演したサントリーのCMなどを通じて、力士の知名度向上にも一役買っていました。

橋本成一郎(バーやキャバレーを経営)

バーやキャバレーを営んでいた橋本成一郎氏(1940年生~1996年没)は、昭和の相撲界を陰ながら支えた代表的なタニマチのひとりです。

昭和40年代には、北の富士の名古屋後援会で副会長を務め、横綱昇進に向けた資金面での支援を行いました。その後、金銭のトラブルがきっかけで北の富士と距離を置くようになったと言われています

その後は、大鳴戸親方(元関脇・高鐵山)が創設した大鳴戸部屋の後援会長として再び相撲界に関わり、部屋にとって最大の支援者のひとりとなりました。

そもそもタニマチとは!?

「タニマチ」とは、相撲界の力士や相撲部屋を金銭的・精神的に支援する後援者のこと。語源は、大阪・谷町に住む医師が、力士を無料で診察し支援していたというエピソードに由来します。

今ではプロスポーツ界や芸能界にも広がっており、幅広い文脈で使われるようになりました。

 

なお、実際にタニマチになるにはどうしたらいいのか?どれくらいの費用が必要なのか?そのあたりを解説した記事がありますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

握手している画像
相撲のタニマチとは?なるにはどうすれば良い?【金額と定義】相撲のタニマチとは?なるにはいくら必要?をテーマに、タニマチの定義やその歴史を詳しく紹介。さらに、力士支援にかかる費用や、後援会・ファンクラブでの支援方法についても解説。相撲ファン必見のタニマチに関する情報が満載です。...
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相撲愛あふれる芸能人たち

相撲を支えているのは「タニマチ」だけではありません。芸能界にも、長年の観戦歴を持ち、自らの言葉や行動で相撲の魅力を発信している熱心なファンが数多くいます。

ここでは、そんな応援というかたちで相撲界を支える芸能人たちをご紹介。スー女、お笑い芸人、昭和歌謡の大御所、元世界王者といった多彩な顔ぶれが、土俵の外から相撲を盛り上げています。

山根千佳(やまね ちか|タレント)

幼少期から相撲をこよなく愛し、スー女(相撲女子)の代表的存在として注目されてきた山根千佳さん。観戦歴も長く、贔屓にしていた白鵬の引退や相撲協会退職の際には、SNSで悲しみを語った投稿が話題となりました。

山根千佳の相撲エピソード
  • 本場所観戦の姿がたびたび中継に映り、「えらい美人の人がいる!」とSNSで話題に
  • 好角家タレントとして、相撲関連の番組やイベントにも出演
  • 書籍『山根千佳の大相撲の歩き方』では、スー女目線で観戦のコツや相撲の魅力をわかりやすく紹介

*『山根千佳の大相撲の歩き方』は、相撲初心者でも観戦がもっと楽しくなる一冊としておすすめです。以下よりチェックしてみてください。

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好角家(こうかくか)とは?

「好角家」とは、相撲が好きで詳しい人を指す言葉です。「角」は相撲の古い呼び方「角力(すもう)」からきています。土俵の取り組みや番付に詳しく、本場所を楽しみにしている熱心なファンが多く含まれます。

最近では、特に女性ファンを「スー女(すーじょ)」と呼ぶなど、親しみやすい表現も広がっており、相撲文化を支える存在として注目されています。

塙宣之(はなわ のぶゆき|お笑い芸人/ナイツ)

塙宣之さんは、お笑いコンビ「ナイツ」として活躍する一方で、芸能界きっての相撲ファンとして広く知られています。

相撲との付き合いは小学生時代からで、30年以上にわたり相撲を観戦し続けてきた筋金入りの好角家です。

塙宣之の相撲エピソード
  • テレビやラジオ、YouTubeなどで番付制度や土俵の見どころをわかりやすく解説
  • Netflix配信の相撲ドラマ『サンクチュアリ ‐聖域‐』について、ラジオ番組で熱く語る
  • 2022年秋場所では、演歌歌手・水森かおりさんとともに砂かぶり席で観戦し、その姿がNHK中継にも映り込みSNSでも話題に
  • 山根千佳さんの著書『山根千佳の大相撲の歩き方』では、推薦帯コメントを寄せるなど、相撲文化の普及にも貢献

はなわ(お笑い芸人・歌手)

はなわさんは、お笑い芸人でありバンドスタイルも披露するマルチな才能を持ち、1997年から芸能活動を続ける中で相撲ファンとしても広く知られる存在となりました。

相撲への愛情は深く、自身のブログやSNSなどでその思いをたびたび発信しています。

はなわの相撲エピソード
  • 幕下時代の稀勢の里(当時「萩原」)の取組を国技館で観戦し、その圧倒的な相撲ぶりに衝撃を受けたと明かしている
  • 稀勢の里と食事を共にするなど親交もあり、引退時にはブログで「本当に本当にありがとう」と感謝の言葉を綴った
  • 三遊亭好楽さん・勝俣州和さんらとともに初場所を観戦する様子をSNSで投稿。「お相撲大好きおじさん達」として話題に
  • 弟の塙宣之さん(ナイツ)とともに“相撲好き兄弟”として知られ、テレビ番組ではたびたび相撲愛を披露している

勝俣州和(かつまた くにかず|タレント)

元気なキャラクターで親しまれる勝俣州和さんは、芸能界でも屈指の相撲ファンとして知られています。2025年の大相撲夏場所では、国技館の東たまり席で観戦する姿が中継にたびたび映り、SNSでも大きな話題となりました。

勝俣州和の相撲エピソード
  • ピンク色のシャツに短パンという目を引くスタイルで観戦し、「今日も勝俣さんが映ってる!」とSNSで注目を集めた
  • ABEMA「大相撲チャンネル」の解説に登場した元横綱・若乃花の花田虎上さんから、「背中だけで勝俣さんってわかりましたよ」とコメントされるほどの存在感
  • 幕下の早い取組から会場入りし、弓取式までしっかり見届けるなど、筋金入りの好角家ぶりを発揮
  • 自身のYouTubeチャンネルでも相撲に関するエピソードや感想を語るなど、相撲文化の発信にも一役買っている

三遊亭好楽(さんゆうてい こうらく|落語家)

長寿番組『笑点』のメンバーとしておなじみの三遊亭好楽さんは、相撲ファンとしても知られる落語界の重鎮です。NHKの大相撲中継にも出演経験があり、相撲文化との深い関わりをうかがわせます。

特に2019年初場所7日目の生放送では、笑点の放送をユーモアたっぷりに宣伝しながらも、相撲への敬意を忘れない「両方推し」の姿勢を見せ、ファンの間でも話題となりました。

三遊亭好楽の相撲エピソード
  • 2019年、NHK「大相撲中継・初場所7日目」にゲスト出演し、落語家として異色の生中継参加
  • 番組内で「明日は中日(なかび)だから、みんな『笑点』も見てね」とコメントし、相撲と笑点の両方に対する愛情をのぞかせた
  • 相撲ファン仲間として、勝俣州和さん・はなわさんらと国技館で観戦する姿がSNSで注目されることも

橋幸夫(はし ゆきお|俳優・歌手)

昭和を代表する歌謡スター・橋幸夫さんは、相撲をこよなく愛することでも知られています。栃若時代からの観戦歴を持ち、近年では熱海富士の応援や国技館での観戦姿がたびたび話題になりました。

2025年にアルツハイマー型認知症を公表した橋さんですが、82歳となった今も相撲への情熱は健在です。

橋幸夫の相撲エピソード
  • 栃若時代(1950~60年代)から蔵前国技館で観戦を始め、相撲ファン歴は60年以上
  • 2023年秋場所では熱海富士の後援会イベントに参加し、熱い声援を送った
  • 熱海富士の本名「朔太郎(さくたろう)」に、自身の両親の名と重なる縁を感じ後援会にも入会
  • 2025年夏場所では「夢グループ」の石田社長とともに観戦。水色のジャケットとピンクのネクタイ姿が話題に
  • 認知症公表後も観戦を継続し、土俵を見つめる姿に多くの反響

内山高志(うちやま たかし|元プロボクサー)

元WBA世界スーパーフェザー級王者として11度の防衛を果たし、「ノックアウト・ダイナマイト」の異名で知られた内山高志さん。2017年の引退後は解説やメディア出演に加え、相撲観戦にも積極的に足を運ぶなど、相撲ファンとしての一面でも注目を集めています。

土俵を見つめる鋭いまなざしには、格闘家ならではの視点と真剣なまなざしがにじみ出ており、SNS上でも「オーラがすごい」と話題に。近年は、その姿を国技館で見かけたファンの投稿が広がりを見せています。

内山高志の相撲エピソード

・勝負審判のすぐ後ろという目立つ位置で、NHK中継にたびたび映り込む
・2025年初場所5日目、元WBC王者・山中慎介さんとともに東の砂かぶり席で観戦
・SNSでは「ダブルチャンプ相撲観戦」「格闘家の風格がすごい」と反響

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タニマチとは違う、相撲界を支える文化的支援者たち

相撲界を支えているのは、金銭的な援助を行う「タニマチ」だけではありません。評論や教育、メディアを通じて、相撲の魅力や課題を社会に伝えてきた文化人たちの存在も見逃せません。

ときに厳しく、ときにユーモアを交えて語る彼らの言葉は、相撲文化の健全な発展を後押ししてきました。

ここでは、そんな「知識と言葉で支える」3人の文化的支援者をご紹介します。

 やくみつる(漫画家・相撲評論家)

漫画家として知られるやくみつるさんは、相撲への深い愛情と専門的な視点を持つ“文化的支援者”の代表格です。早稲田大学在学中から相撲に関心を持ち、以降は評論やコメンテーターとしても精力的に活動。時にユーモアを交えながら、相撲界の姿勢や品格について鋭い意見を発信してきました。

やくみつるの相撲エピソード
  • 日刊スポーツで35年間にわたりコラム「番外もう一丁!!」を連載。相撲への愛と批評精神を込めたイラスト付きコラムは、読者から長く支持された
  • 2010年まで相撲協会の生活指導部特別委員を務める。技術や立ち合いの姿勢についても率直な意見を述べ、白鵬や貴景勝の取組にも言及
  • テレビ・ラジオの相撲番組でもコメンテーターとして活躍。2024年には曙の横綱土俵入りについて「最も型に忠実だった」と語るなど、技術的視点でも高く評価
  • 日馬富士の暴行事件の際には「締め直した“たが”が緩み始めている」と警鐘を鳴らし、相撲界の自浄努力の必要性を訴えた
  • 現在もテレビ・ラジオ・新聞・ネットニュースなどで精力的に相撲解説を続けている

代表作紹介

やくみつるさんのもう一つの顔である4コマ漫画の代表作が『パロ野球ニュース』。1986年から1999年まで連載され、プロ野球を題材にした風刺と愛情に満ちた作品として多くの読者に愛されました。

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 デーモン閣下(ミュージシャン・相撲評論家)

白塗りの悪魔的風貌で知られるデーモン閣下は、「相撲ファン歴300年」を自称する筋金入りの好角家です。早稲田大学の相撲研究会出身という“世を忍ぶ仮の姿”もあり、評論活動やメディア出演を通じて相撲界に鋭い視点を投げかけてきました。

デーモン閣下の相撲エピソード
  • 自称「相撲ファン歴300年」。谷風と小野川の取組も“観戦していた”と語るなど、好角家ぶりをユーモラスに表現
  • 2006年、NHK大相撲中継にて角界外から初のゲスト解説者として出演。合計5時間にわたる解説で相撲知識を披露
  • 2012年、早稲田大学の相撲部再建を支援するため「相撲愛好会」の設立を提案
  • 2017年、NHK「クローズアップ現代+」で白鵬へのブーイングについて苦言を呈し、相撲ファンの在り方に一石を投じる
  • 2025年のNHK番組では、注目力士として大の里や琴櫻、尊富士を挙げ、「大の里はいずれ15回は優勝する」と独自の見解を披露
  • 2025年、十両力士・輝の披露宴で激励のコメントを贈るなど、土俵外でも力士との交流を続けている

おすすめ書籍

2015年刊行と少し前の本ではありますが、やくみつるさんとの共著『勝手に大相撲審議会』は、相撲ファン必読の一冊です。

デーモン閣下の鋭い視点と、やくさんの辛口コメントが炸裂する、ユーモアと愛情にあふれた相撲批評本に仕上がっています。

観戦好きの方はもちろん、相撲界の“裏側”に興味がある方にもおすすめです。

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内館牧子(脚本家・作家)

相撲を愛してやまない脚本家・内館牧子さんは、文化人として相撲界に深く関わってきた一人です。4歳の頃に相撲と出会って以来、紙相撲や星取表を自作するなど、幼少期から筋金入りの好角家でした。

2000年には女性初の横綱審議委員会委員に就任。約10年間にわたり伝統と時代のはざまで揺れる角界を見つめ続けました。評論だけでなく、研究者としても活動し、大学院では「神事としての相撲」をテーマに宗教学を専攻。修士論文をもとにした著書も出版しています。

内館牧子の相撲エピソード
  • 4歳の頃から相撲に夢中になり、紙相撲や星取表を自作
  • 2000年〜2010年、日本相撲協会・横綱審議委員会の委員を務める
  • 大阪府知事の太田房江氏が土俵での表彰を希望し、相撲協会が拒否した問題を機に、大学院で宗教学を学ぶ
  • 修士論文をもとに『女はなぜ土俵にあがれないのか』を出版
  • 2005年から東北大学相撲部の監督(現・総監督)としても活動中
  • 土俵の女人禁制について一貫した立場から発言を続けている

代表作紹介

内館牧子さんの代表作のひとつが、定年後の男を描いた小説『終わった人』。
2018年には舘ひろし主演で映画化もされ、モントリオール世界映画祭・最優秀男優賞を受賞しました。

人生の転機や“老い”を描いた作品として、多くの読者から支持されています。
相撲とは直接関係ないですが、内館さんの人間観察の鋭さが光る一冊です。

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バブル時代のタニマチ伝説

1980〜90年代、日本経済が絶頂を迎えたバブル期。相撲界も例外ではなく、豪奢な支援が当たり前のように行われていました。

ここでは、当時のタニマチ伝説を象徴する3人の力士のエピソードをご紹介します。

千代の富士(化粧まわし)

昭和から平成にかけて一時代を築いた横綱・千代の富士は、化粧まわしにも桁外れの支援を受けていました。現代の名工・和田光正氏が手がけたその一枚には、ダイヤモンドや真珠があしらわれ、制作費は数千万円にものぼったとも言われます。

黒締め込みを身にまとい、圧倒的な成績を残した姿は、まさにバブル時代を象徴する横綱として語り継がれています。

小錦(高級腕時計)

元大関・小錦は、タニマチから700万円の腕時計を贈られ、それを後に武蔵丸へ180万円で譲ったといいます。「金持ちは相撲取りと歩かなきゃ金持ちじゃない」という空気が漂っていた時代。銀座や向島での豪華な接待文化も相まって、小錦のエピソードはバブルの豪快さを物語っています。

曙(ベンツ・リムジン)

史上初の外国人横綱として注目を集めた曙は、バブル期の豪勢な支援の恩恵を受けた一人。あるタニマチから運転手付きのベンツ・リムジンを贈られ、「車代じゃなくて、車そのまんま」と語った体験を2016年のテレビ番組で明かしました。

まさに“異次元のお車代”。当時の相撲界を取り巻いていた、贅沢な支援文化を象徴するエピソードとして、今も語り継がれています。

まとめ

華やかな土俵の裏側には、名前こそ表に出ないものの、確かな支援と情熱で相撲界を支えている人たちがいます。今回ご紹介した支援者たちは、ほんの一部にすぎません。

相撲は、見る人・支える人・語る人、それぞれの思いが重なって続いていく文化です。この記事をきっかけに、「自分も相撲の応援をもっと楽しんでみようかな」と感じていただけたなら、これ以上うれしいことはありません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
また、次回の記事でお会いしましょう。

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相撲でふるさと納税

相撲といえば、やっぱり「ちゃんこ鍋」と「焼き鳥」! 実はこの2つ、ふるさと納税の返礼品としても手に入るんです。

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