力士の生活

本場所中の力士の生活は?日常のちゃんこや稽古に違いはあるの?

本場所のイラスト

こんにちは!しんざぶろうです。

「本場所中の力士の生活はどうなっているの?」
「朝稽古は?ちゃんこに違いはあるの?」と、関心を持っている方も多いと思います。

そこで今回、元力士「しんざぶろう」が、

本場所中の力士の生活

を時系列に沿って解説していきますね。

本場所は15日間もあります。しかし勝負は一瞬で終わってしまいます。
毎日コンディションを維持するのはとても難しく、負けが続くと「このまま全敗したらどうしよう・・・」と悪い方へ考えてしまうことも少なくありません。
身体的な強さはもちろんですが、本場所ではメンタルの強さの方が重要だと僕は感じています。

そういった心技体を整えるために、本場所中の稽古はとても重要といえるのではないでしょうか。そんな力士たちの本場所の生活を知ることができれば、もっと相撲を楽しく観戦できると思います。

ぜひ最後までお付き合いくださいね。

 

本場所中の力士の生活

本場所のイラスト

本場所の取り組み

まず、はじめに取り組みについて解説します。
本場所中の力士たちの生活は、取り組みが中心となっているからです。

  • 十両以上は15日間(8勝以上で勝ち越し)
  • 幕下以下は7日間(4勝以上で勝ち越し)

*幕下以下は1~2日の間隔を空けて取り組みが行われます。
(2日連続取り組みがある時もあります。)

本場所の取り組みは、番付下位から進行していき、
おおよそAM8:30頃から序ノ口が始まります。

本場所中の稽古

本場所中も稽古はあります。

しかし取り組みもあるので、普段よりも早く10:00頃には終わらせ、軽めの稽古にする部屋が多いようです。がむしゃらに稽古を行うというよりは、自分の対戦相手を想定した稽古をするという事ですね。

そして、取り組み時間は番付に応じて違うので、それぞれ間に合うように稽古を上がっていきます。時間と共に力士が稽古場からいなくなるので、いつもより寂しい風景になってしまいます。

部屋によっては力士に集中して稽古をさせるため、本場所中の稽古は見学を受け付けていない場合があるようです。
見学を考えている方は要確認ですね。

余談ではありますが、幕下以下の取組みが重なると「ちゃんこ」や「入浴」の支度をする力士が少なくなってしまいます。
一人で何役もこなさなければならず、ものすごく忙しいです。

まぁ、それが嫌なら早く出世しろという事なんでしょうけど・・・。

本場所中の入浴

日常であれば関取から順番に入浴していきますが、本場所は下位の力士から取り組みが開始されていきます。

ですので、自分の取り組みに間に合うよう稽古を上がり、本場所へと向かわなくてはなりません。つまり、関取よりも先にお風呂で汗を流さなくてはならないということです。
身だしなみは大切ですからね。

しかし、そこは上下関係が厳しい相撲界です。
湯船につかる事はゆるされません

あくまでも身体を洗うのみで、湯船に入る順番はいつも通りと言えるでしょう。

本場所中のちゃんこ

通常であれば稽古上がりにちゃんこ鍋を食べるところですが、これから取り組みがあるのにお腹いっぱい食べてしまっては身体が思うように動きません

そこで本場所中は、昼と夜を入れ替えてちゃんこを作ります
昼は炒め物や煮物などの通常の食事です。
夜にちゃんこ鍋を作り、お腹いっぱい食べて身体作りをするという事ですね。

ちなみに僕の部屋では、朝早く本場所に向かう下位力士のために「おかゆ」をちゃんこ番が用意していました。
他の部屋も行っているかどうか定かではありません。

本場所中の昼寝・休憩

この昼寝に関しては、部屋ごとに考え方が大きく違うようです。
大まかに以下の2通りの考え方があります。
(ここでは大部屋で生活している下位力士の話しをしています。)

  • 本場所で兄弟子や関取、親方など、目上の人が働いている時間に昼寝するなんて許されない。
  • 本場所で勝つためには身体を休めてコンディションを整える事が必要。

どちらも考え方としては正しいとは思います。

しかし個人的には、本場所で勝つことが最大の目的であると思っています。しっかりと休養をとり、本場所で最高のパフォーマンスを発揮した方が相撲界にとってもプラスのような気がします。

疲れ切った力士の相撲なんか観ても、面白くないと思うので・・・。

取り組み発表

力士たちの対戦相手は以下のタイミングで発表されます。

  • 初日の取り組みは2日前に発表。
    (幕内のみ2日目まで発表される。)
  • 2日目~千秋楽までは前日に発表。
    (勝ち星に応じて対戦相手が決まる。)

前日の19時頃までには全部の取り組みが発表されます。
各々対戦相手を確認し、どんな相手かを調べます。自分の部屋で対戦した事がある力士がいれば、どんな相撲を取るのか情報を共有していきます。

僕は戦相手がわかるこの時間が、不思議とワクワクして好きでした。
遠足の前日みたいな感覚ですかね。

ちなみに幕下以下は、同じ勝ち星同士が対戦相手になっていきます。
ですので、全勝した力士が格段の優勝者となります。
*格段優勝者とは、序ノ口・序二段・三段目・幕下、それぞれで優勝者が決まっていきます。

もちろん同じ勝ち星が複数人出る事もあり、千秋楽に優勝決定戦が行われます。
普段の取り組みでは見る事のできない「同部屋対決」もあるので、とても面白いと思います。

まとめ

今回は「本場所中の力士の生活は?日常のちゃんこや稽古に違いはあるの?」
という内容で僕の体験をもとに、ご紹介させていただきました。

十両以上の取組みを観戦する事が多いと思いますが、実は幕下以下の取り組みも面白いんですよね。1敗したら「優勝」はないので、一番一番の緊張感は関取たちと勝るとも劣らないものがあると思います。

そういった見方をすると「本場所」がさらに面白くなりますよ!

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回も「しんざぶろうの情報メディア」でお会いしましょう。