力士の給料はいくら?番付による違いは?大相撲の収入事情を徹底解説
相撲界に入ればお金持ちになれると信じていた、元力士のしんざぶろうです。
こんにちは!
相撲ファンなら誰しも、力士たちがどれだけの収入を得ているのか、一度は気になったことがあるのではないでしょうか。特に、幕下以下の力士たちの生活は、華やかな部分だけではなく、その厳しい現実にも注目が集まりますよね。
そんな力士たちの収入について、今回はスポットを当てていこうと思います。
実際、僕は幕下以下の力士養成員という立場しか知らなかったので、今回いろいろと調べていくと、関取はこんなにも収入があったんだ!と、改めて驚かされました。
もし当時、自分との収入差がこれほど大きいと知っていたら、もっと頑張れたかもしれません。あくまでも、そんな気がするだけですが・・・
それでは、知られざる力士たちの収入事情について、詳しく解説していきます。
ぜひ最後までお付き合いくださいね!
元力士 まさる
- 力士の収入の種類と番付による給与の違い
- 基本給与以外の収入源である賞金・手当の仕組み
- 勝ち星や優勝、三賞などで得られる収入の具体例
- 幕下以下の力士に適用される場所手当と奨励金のあらまし
- 力士の生活費や、付き人・餅つきなどの臨時収入
番付による給与の違い
それではまず、「番付ごとに力士の収入はどれくらい違うのか?」という基本的な部分を見ていきましょう。
現役時代、僕自身も「上に行けば全然違うんだろうなぁ…」となんとなくは思っていましたが、改めて表にしてみると、その差は本当に大きいです。
十両以上の関取には、番付ごとに決まった月給が支払われます。2027年1月場所から増額されることが決まっていて、改定前と改定後の額は次のとおりです。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 番付 | 2026年11月場所まで | 2027年1月場所から |
|---|---|---|
| 横綱 | 300万円 | 330万円 |
| 大関 | 250万円 | 275万円 |
| 三役(関脇・小結) | 180万円 | 200万円 |
| 幕内(前頭) | 140万円 | 155万円 |
| 十両 | 110万円 | 120万円 |
参考:日刊スポーツ「横綱月給30万円アップ」(2026年7月30日)
一方、幕下以下の力士養成員に月給はなく、本場所ごと(年6回)に場所手当が支払われます。額は段で決まっていて、2026年11月場所までは幕下16万5,000円から序ノ口7万7,000円まで、2027年1月場所からは幕下18万円から序ノ口8万2,000円までです。
参考:デイリースポーツ「力士給与・手当もアップ」(2026年7月30日)
さくら
なお、「そもそも番付ってどんな階級があるの?」という方は、こちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
給与以外に収入はないの?力士の賞金や手当について
もちろん、先ほどの給与や基本手当以外にも、さまざまな賞金や手当が存在します。
力士たちが頑張って強さを求める仕組みがそこにはあるんですよね。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
各階級の優勝賞金
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 段 | 2026年11月場所まで | 2027年1月場所から |
|---|---|---|
| 幕内 | 1,000万円 | 2,000万円 |
| 十両 | 200万円 | 300万円 |
| 幕下 | 50万円 | 70万円 |
| 三段目 | 30万円 | 50万円 |
| 序二段 | 20万円 | 30万円 |
| 序ノ口 | 10万円 | 20万円 |
参考:日刊スポーツ「優勝賞金2倍!33年ぶり改定」(2026年7月30日)
なお、優勝賞金が33年ぶりに改定された経緯や、副賞・三賞については、こちらの記事で詳しく解説しています。
三賞
大相撲での「三賞」とは、「殊勲賞」「敢闘賞」「技能賞」の3つを指します。これらの賞は、毎場所終了後に、横綱と大関を除いた幕内力士の中から特に優れた活躍を見せた力士に授与されます。また、一人の力士が一度にすべてを受賞することもあります。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 受賞名 | 賞金 | 備考 |
|---|---|---|
| 殊勲賞 | 2026年11月場所まで200万円 2027年1月場所から300万円 |
横綱や大関を破った力士、または優勝争いに影響を与える白星を挙げた力士に与えられる。 |
| 敢闘賞 | 2026年11月場所まで200万円 2027年1月場所から300万円 |
敢闘精神が旺盛な力士や、新人・ベテラン力士の奨励を目的として与えられることもある。 |
| 技能賞 | 2026年11月場所まで200万円 2027年1月場所から300万円 |
その場所で多彩な決まり手を見せるなど、特に優れた技術を発揮した力士に与えられる。 |
参考:日刊スポーツ「優勝賞金2倍!33年ぶり改定」(2026年7月30日)
懸賞金
懸賞金は、幕内の取り組み前に土俵を回る「懸賞旗」の数に応じて変動します。懸賞旗とは、呼出が土俵の上で掲げて回る企業の広告を指し、以下のイラストのような形で宣伝されます。
注目度の高い取り組みほど観戦者が多いため、広告効果も高まり、それに伴って懸賞金も増える仕組みです。


そして、懸賞は1本7万円です(2019年9月場所から。2026年10月時点)。
例えば、上のイラストのように5本の懸賞旗が掲げられた場合、その取組にかけられた総額は7万円×5本=35万円となります。
しかし、その全額が勝った力士のものになるわけではありません。
懸賞金の内訳は、次のように分けられます。
- 勝った力士の獲得額:60,000円
◇このうち土俵上で受け取る現金は、2025年5月場所から1本あたり10,000円です。残りの50,000円は、口座への振込(20,000円)と、納税に備えた積立(30,000円)に分けられます。 - 日本相撲協会の手数料:10,000円
◇取組表への掲載料と、場内放送料です。
懸賞金の内訳や、1本の額が変わってきた経緯については、以下の記事にまとめています。
報奨金
報奨金ってなに?と聞いたことがない方が多いと思いますが「金星」は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
報奨金と金星は密接な関係があって、この複雑なシステムの話を初めてしまうと、1記事くらいになってしまいそうなので、ここでは簡単な説明に留めておきます。
報奨金とは
報奨金は関取以上の力士にのみ支給される賞金のようなもので、これは給与とは別に、場所ごとに支給されます。
そして、力士それぞれの初土俵からの戦績に基づいた「持ち給金」という金額が積立られていくので、同じ番付でもこの持ち給金によって支給額が異なります。
例えば、さきほどの金星を獲得すると、この持ち給金が加算され、その結果として報奨金も増えます。具体的には、持ち給金に4,000を掛けた金額が、1場所ごとに報奨金として支給される仕組みです。
もう少し詳しく説明すると、金星を取ると「持ち給金」が10円プラスされます。
金星1つだけでも、10円×4,000=40,000円となり、以降引退するまで毎場所ごとに4万円が支給されます。
(毎場所といっても、関取を維持し続けることが条件です。)
ちなみに、歴代1位の持ち給金を持つ白鵬は、1場所で800万円以上の報奨金を受け取っていたとも言われています。
●追記:2024年9月19日
報奨金についてくわしく解説した記事を作成しました。理解が深まるので、ぜひこちらの記事もごらんください。
幕下以下奨励金
力士養成員には、場所手当とは別に、1勝ごとの勝星金と、勝ち越した点数ごとの勝ち越し金が支払われます。幕下なら2026年11月場所まで1勝3,500円・勝ち越し1点8,000円で、2027年1月場所からは4,000円・1万円に上がります。
参考:デイリースポーツ「力士給与・手当もアップ」(2026年7月30日)
三段目から序ノ口までの額と、7番取り終えたときの計算例は、こちらの記事にまとめています。
さくら
確かに、生活が厳しいのは事実です。
でも、これは勝負の世界なので仕方ない部分もあります。ただ、実は他にも収入を得られるチャンスがあるので、ここからはそれをご紹介しますね。
その他の収入について
ここで紹介する項目については、具体的な金額が公表されていなかったり、部屋のしきたりによるところが大きいので、あくまで参考程度にご覧ください。
付き人
親方や関取の身の回りの世話をする人を「付き人」と言います。報酬は、世話をしている関取から直接いただくのが一般的で、金額は関取の考え方や付き人の仕事ぶりによって変わるようです。僕が関取の付き人をしていたときは、1場所ごとに3万円ほどいただいていました。
付き人の仕事の中身や、遠征先での食事など付き人として過ごした日々のことは、別の記事で紹介しています。
弓取式
本場所の結びの一番が終了した後、向正面の中央に控えていた弓取役の力士が、勝った力士に代わって土俵へ上がります。弓を振るなどの所作を通して、その日の勝利を祝う伝統的な儀式が「弓取式」です。
この弓取役の力士には手当が支給されており、1場所につき9万円とされています。
ただし、日本相撲協会の公式発表は確認できず、この金額の正確性は不明です。あくまで参考情報としてご覧ください。
餅つき
年末年始になると、企業や団体からの依頼により、相撲部屋の力士が餅つきに出向くことがあります。僕も一度、その経験がありますが、師匠を通じて、おおよそ3万円程度の報酬をいただいた記憶があります。
しかも当日は、稽古を中断して出かけられるので、とても嬉しかったですね。
さくら
元力士 まさる
ご祝儀
本場所千秋楽の夜には、各部屋で盛大な打ち上げパーティーが開かれます。後援会の方や熱心な相撲ファンなど、様々な方が招かれ、力士たちはご招待客の皆さんと一緒に食事を楽しみます。
力士たちは、お客様に飲み物を注いだり、料理を運んだりしながら、交流を深めます。特に勝ち越しを決めた力士には、ファンや後援会の方から直接「ご祝儀」をいただくこともあります。
金額は様々ですが、人気力士ほど多くのご祝儀をいただけることになりますね。
タニマチ
タニマチとは、相撲界において力士を個人的に支援する人のことです。特に力士の経済的な援助を行う人のことを指します。こういった存在がいると、先ほどの千秋楽パーティーなどで、ご祝儀をたくさんいただけることが多いですね。
そして、タニマチの語源は、大阪の「谷町(たにまち)」に由来します。明治時代、大阪・谷町筋4丁目に住む相撲好きの医師が、力士を無償または格安で治療していたことが始まりです。
さらに詳しく「タニマチ」について知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
力士の生活費と支出
ここまでは収入の話でした。では、力士はお金を何に使っているのでしょうか。
力士は部屋に住み込みで食事も出るので、家賃や食費は基本的にかかりません。僕の場合、手当はまわしやテーピングなどの稽古の道具、浴衣の仕立て代、髷の油代に使い、毎月およそ3万円でやりくりしていました。
道具の値段や、髷を結う前のほうが油代が高くついた話は、幕下以下の給料を取り上げた記事で詳しく紹介しています。
「行事」「呼出」「床山」の給与
さくら
では、ここからは力士以外で相撲界を支えている人たち、「行事」「呼出」「床山」の給与についてご紹介いたしますね。
給与体系の共通事項
各々の給与を紹介していく前に、共通して同じ項目があるので、まず初めにそこから説明していきますね。
3つの職、全ての給与は月給制で、その内訳は「本棒・手当」となります。しかし、「行事」に関してのみ場所ごとに支給される「装束補助費」とされる衣装代も加わります。
そして、本棒については力士同様「階級」が存在し、地位によって給与に反映されます。このあと、それぞれ一覧表にしましたので、確認してみてください。
また、手当については「各人の能力・成績・勤務状況ならびに物価・社会状勢等を勘案し、理事長が決定する。」とあり、階級による違いがあるのか確認できませんでしたが、初任給は公表されていましたので参考にしてください。
- 本棒(月):14,000円
- 手当(月):126,000円
- 合計(月):140,000円
行事
| 階級 | 本俸(月) | 手当(月) | 装束補助費 (一場所につき) |
|---|---|---|---|
| 立行司 | 400,000~500,000円未満 | 各人の能力・成績・勤務 状況ならびに物価・社会 状勢等を勘案し、理事長 が決定する。 |
50,000円 |
| 三役行司 | 360,000~400,000円未満 | 40,000円 | |
| 幕内行司 | 200,000~360,000円未満 | 30,000円 | |
| 十枚目行司 | 100,000~200,000円未満 | 25,000円 | |
| 幕下行司 | 42,000~100,000円未満 | 20,000円 | |
| 三段目行司 | 29,000~42,000円未満 | ||
| 序二段行司 | 20,000~29,000円未満 | ||
| 序の口行司 | 14,000~20,000円未満 |
呼出
| 階級 | 本俸(月給) | 手当(月) |
|---|---|---|
| 三役呼出し以上 | 360,000~400,000円未満 | 各人の能力・成績・勤務状況 ならびに物価・社会状勢等を 勘案し、理事長が決定する。 |
| 幕内呼出し | 200,000~360,000円未満 | |
| 十枚目呼出し | 100,000~200,000円未満 | |
| 幕下呼出し | 42,000~100,000円未満 | |
| 三段目呼出し | 29,000~70,000円未満 | |
| 序二段呼出し | 20,000~29,000円未満 | |
| 序の口呼出し以下 (3年間見習い) |
14,000~20,000円未満 |
床山
| 階級 | 本俸(月給) | 手当(月) |
|---|---|---|
| 特等 | 360,000~400,000円未満 | 各人の能力・成績・勤務 状況ならびに物価・社会 状勢等を勘案し、理事長 が決定する。 |
| 一等 | 250,000~360,000円未満 | |
| 二等 | 140,000~250,000円未満 | |
| 三等 | 70,000~140,000円未満 | |
| 四等 | 29,000~70,000円未満 | |
| 五等 | 20,000~29,000円未満 | |
| 見習い期間(三年) | 14,000~20,000円未満 |
元力士 まさる
まとめ
こうしてみてみると、幕下以下の力士養成員は見習いのような位置づけですから、やはり収入としては厳しいですね。
しかし、関取となって一人前の力士になれば、収入が一気に増え、生活は天と地ほど変わります。個室が与えられるなど待遇も格段に良くなりますし、自分の体にしっかりと投資できるようになるんですよね。
早く一人前になれるように、時間やお金の使い方が、出世のカギを握っているといっても過言ではないでしょう。遊びやギャンブルで浪費してしえば、当然、出世の道は遠のいてしまいますから・・・。
それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
いまはその『相撲』が楽天マガジンの読み放題に入っていて、1冊買うより安く読めます。
- 1952年創刊、日本相撲協会の機関誌
- 本場所前に展望号、本場所後に総決算号が刊行。場所ごとの流れを追える
- 4,000誌・15,000冊以上が読み放題。バックナンバーも対象
- 無料期間のあとは自動更新(Webからの申し込みは月額597円・税込、アプリからは月額710円・税込)。電子版は一部の記事・写真と別冊付録が非掲載




















