左からの上手投げが強いと定評があった、元力士しんざぶろうです。
こんにちは!
それを理解するには、まず「四つ」という状態を理解することが必要となります。
そして、「四つ」は相撲観戦を楽しむためにも欠かせない基本知識といえますので、
この機会に身につけてしまいましょう。
ということで、今回は「けんか四つ」「がっぷり四つ」はもちろん、「四つ」がどのような状態なのか、その攻防のポイントについても徹底解説していきます。
この知識を身につければ、「右四つになったから応援している力士が勝ちそうだな」といった具合に、観戦中に相撲の優劣がわかるようになり、次の相撲観戦がさらに楽しめること間違いなしです。
さらに、そのほかの組手も解説していきますから、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
そもそも「四つ」ってなに?
まず「四つ」という状態を解説していきます。
四つというのは、「対戦する力士が互いに腕を差し合い、身体を密着させるように組み合う」形のことを指します。このとき、たとえまわしを取っていなくても「四つ」と呼びます。
とはいえ、実際にはこの状態で両者がまわしを取らないことはほとんどなく、自然とまわしを取り合う展開になります。
この流れの中で、自分が得意とする組手を作ることができれば、有利に取り組みを進めることができるので、応援する力士が得意とする組手が「右四つ」「左四つ」なのか、把握しておくことが、観戦をより楽しむためには重要となります。
けんか四つ・がっぷり四つとは!
では、「四つ」の基本がわかったところで、本題のけんか四つ・がっぷり四つを解説していきます。
けんか四つ
けんか四つは「右四つが得意な力士」と「左四つが得意な力士」が対戦すると「けんか四つ」ということになります。
ちなみに右手が下手になる状態が「右四つ」になります。
左四つはその逆です。
けんか四つの対戦になると、自分の得意な組手に持ち込むための攻防があり、「差し手争い」が激しくなることが予想されます。
この差し手争いを制し、自分の得意な組手に持ち込めれば、相手は苦手な組手となるので、勝利が近いと言えますね。
がっぷり四つ
がっぷり四つとは、言葉のイメージどおりで、「両者が胸を合わせ両手でまわしを取り、密着したまま硬直状態になっている」ことを「がっぷり四つ」と言います。
この状態になると取り組みが長くなる傾向にあります。
右四つ・左四つの違いは?
先ほど簡単に説明しましたが、少し伝わりにくいと思うのでイラストを使って、右四つ・左四つがどういった状態なのか、改めて説明いたします。
右四つ
こちらのイラストが右四つです。
(反対側が見えませんが、交互に腕を差しあっているところをイメージしてください)
両者ともに右手を下手に差して、左手を上手にしている状態が「右四つ」です。
左四つ
左四つは、先ほどとは逆で、
両者ともに左手を下手に差して、右手を上手にしている状態が「左四つ」となります。
要するに、下手になった腕が「右」であれば「右四つ」。
「左」であれば「左四つ」ということになります。
さくら
でも、交互に差しあわない場合もあるわよね?
もちろんそういった展開もあります。
では次からは、今までの話をベースに他の組手についても解説していきますね。
他の組手について
もろ差し
先ほど「さくら」が言った状態が、もろ差しに該当します。
片方が相手の懐に入り、両手ともに下手になった状態を指します。
外四つ(そとよつ)
これは先ほどとは逆で、もろ差しをされた側の状態です。
つまり両手が上手になった状態を「外四つ」と言います。
相四つ(あいよつ)
相四つは、お互いに得意とする四つが同じということです。
右四つが得意同士なら「右相四つ」、左四つなら「左相四つ」という具合です。
相四つの場合、得意とする組手が双方同じなので、結果的に「がっぷり四つ」になることが多くなる傾向にあります。
さくら
これを知ったら次の相撲観戦が楽しみになってきたわ。
まとめ
このように相撲の取り組みでは、いかに自分の得意な組手に早く持っていけるかが、勝敗のカギを握っています。
とはいえ、僕は現役時代の稽古中、親方に「まわしをとるんじゃない!押すんだ押すんだ!」と、散々いわれていきました。実感として、押しが強い力士は出世していくように思います。
相手の押しの勢いが強ければ、まわしを取っても態勢が立て直せず、何もできずに押し切られてしまいます。なので相撲の基本は「押し」といえますね。
しかし、相撲ファンとして観戦するには「四つ」の知識は不可欠なので、こうしたことを理解しておくだけでも、きっと相撲観戦が楽しくなりますよ。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。