土俵祭り2027の日程と時間!見学の方法と流れを元力士が解説
番付発表の日、僕がいた部屋の稽古場でも土俵祭がありました。呼出の補助で築いた土俵に塩を盛り、お神酒と、鎮め物にするするめや米を用意する。部屋の行司の手伝いが、その日の僕の仕事だったんです。
土俵祭は、国技館で行われる前日の儀式というだけではありません。力士が稽古する土俵にも、神様を迎える日がありました。
こんにちは!元力士のしんざぶろうです。
土俵祭とは、本場所の初日の前日に、立行司が祭主となって土俵に神様を迎え、15日間の無事を祈る神事です。
何時から始まって、どうすれば見に行けるのでしょうか。
この記事では、土俵祭りが2027年はいつ行われるのか、どうすれば見られるのか、土俵の上で何が行われているのかを、部屋の土俵祭で支度をした元力士が解説します。
土俵祭って、初日の前の日に国技館でやっているのは知っていたけど、ちゃんと見たことはなかったんだよなぁ。
土俵の真ん中に何を埋めているのか、気になってきたよ。
土俵祭りは例年本場所の前日の午前10時から
本場所の土俵祭は、例年、初日の前日にあたる土曜日の午前10時に始まります。場所は、その本場所で使う会場の本土俵です。
では、土俵の上で実際に何が行われているのでしょうか。2026年9月12日、九月場所の前日に国技館で行われた土俵祭の配信で見てみてください。
映っているのは、国技館の本土俵で、金色の装束を着た立行司と、白い装束の脇行司2人が、祭壇の前で式を進めていく場面です。
見るときは、3人がどの順番で動くかと、途中で土俵の中央の穴に何かを納める場面に注目してみてください。
お祭りって聞いていたので、もっとにぎやかなものを想像していました。
装束姿の行司さんたちが静かに動いていて、見ているこちらまで背筋が伸びますね。
2027年の6場所の土俵祭りの日程
直近では、2026年十一月場所の土俵祭が11月7日(土)に福岡国際センターで予定されています。
そのあとの2027年(令和9年)は、本場所の初日がすでに年間日程表で発表されています。例年どおり初日の前日に行われるなら、土俵祭は次の6日で、どの場所も土曜日に当たります。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 場所 | 会場 | 土俵祭(見込み) | 初日 |
|---|---|---|---|
| 一月場所 | 国技館(東京) | 1月9日(土) | 1月10日(日) |
| 三月場所 | エディオンアリーナ大阪 | 3月13日(土) | 3月14日(日) |
| 五月場所 | 国技館(東京) | 5月8日(土) | 5月9日(日) |
| 七月場所 | IGアリーナ(名古屋) | 7月10日(土) | 7月11日(日) |
| 九月場所 | 国技館(東京) | 9月11日(土) | 9月12日(日) |
| 十一月場所 | 福岡国際センター | 11月13日(土) | 11月14日(日) |
開始の時刻や一般公開の有無は、場所ごとに協会から案内が出ます。出かける前に、その場所の案内を確かめてください。
2026年九月場所の国技館は9時20分から入場
2026年九月場所の国技館では、入場できる時間が9時20分から9時50分まででした。9時50分を過ぎてからは、中に入れませんでした。式そのものは10時に始まり、20〜30分ほどで終わります。
一方、大阪のエディオンアリーナでは、2026年3月の入場が9時30分から9時50分まででした。会場によって、入場が始まる時刻は違います。
参考:日本相撲協会「土俵祭のご案内」(2026年九月場所)/日本相撲協会公式X(2026年1月・3月)
2026年九月場所は無料で予約も要らなかった
2026年九月場所の国技館では、土俵祭の入場が無料で、チケットや予約も要らず、当日の先着順で入れました。
ただし、神事なので、取組を見るときとは違う注意点があります。2026年九月場所の案内では、見学の条件と合わせて次のように書かれていました。
■土俵祭の見学の条件と注意点(2026年九月場所の案内)
- 入場は無料で、先着順
- 開始後の入退場と席の移動はしない
- 私語を慎む
- 撮影は自分の席から。フラッシュは使わない
- 終わったら速やかに退出する
一方で、どの場所も一般公開されるわけではありません。2026年の名古屋(IGアリーナ)は一般公開がなく、大相撲公式ファンクラブの小結コース以上の会員を抽選で招く見学会だけが組まれました。
2026年十一月場所の福岡でも、11月7日の土俵祭に、同じ会員向けの抽選の見学会が案内されています(申し込みは10月15日で締め切り)。一般公開があるかどうかは、協会の公式の案内で確かめてください。
参考:大相撲公式ファンクラブ「土俵祭見学イベント」(2026年七月・十一月場所)
初場所に合わせて国技館へ出かけるなら、番付発表の日やチケットの取り方は、初場所の記事にまとめています。
土俵祭りで行われる式の流れ
土俵祭は、土俵を清め、神様を迎え、鎮め物を納めて、太鼓で終わる、という順で進みます。土俵に上がるのは立行司と脇行司の3人で、進行係の口上と、立呼出が打つ柝(き)に従って式が進みます。
幣を立てて祭壇をつくる
式の前に、土俵には正面に3本、東西に2本ずつ、計7本の幣(へい)が立てられ、右手には榊(さかき)が飾られます。中央にはござを敷いて祭壇を設け、2基の三方(さんぼう)に、献酒のための瓶子(へいし)と清めの塩が載ります。
この祭壇の前で、神官装束の立行司が脇行司2人を従えて、五穀豊穣、国家平安、土俵の無事を祈ります。
土俵祭が終わると、呼出が吊り屋根を下ろして、四つの房にも幣を取り付けます。
参考:『相撲大事典』第4版(金指基 原著、現代書館)「土俵祭」p.244・「幣」/大相撲公式ファンクラブ(2025年)
清祓いから方屋開口まで
式はまず、脇行司による清祓いの儀から始まります。脇行司が祭壇に向かって祓ってから、土俵の四方を回り、まわりに並んだ参列者まで祓い清めます。続いて祭主の立行司が祝詞を奏上し、本場所の無事平安を祈ります。
祝詞のあと、祭主は座ったままで、脇行司が土俵に上がって東西の4本の幣を土俵の四隅へ置きます。これが祭幣です。四隅のあげ俵には、お神酒も注がれます。そして祭主が故実を言上する方屋開口(かたやかいこう)で、土俵が開かれます。
そんな3人の姿は、2026年3月、大阪の土俵祭の写真でも見られます。土俵の上の3人の並びと、まわりに立てられた幣を見てみてください。
<大相撲三月場所>
土俵祭が執り行われました。土俵祭は本場所の前日に五穀豊穣、本場所の安泰を祈願し行います。
祭主を務めるのは式守伊之助。
脇行司は式守鬼一郎、木村千鷲#sumo #相撲 #三月場所 pic.twitter.com/Q1MDmDgfn8— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) March 7, 2026
鎮め物を納めてお神酒を供える
方屋開口のあと、立行司と脇行司の全員で、土俵の中央に掘った15センチ四方の穴に鎮め物を納めます。納めるのは、次の6品です。
■鎮め物の6品
- 塩
- 昆布
- するめ
- 勝栗(かちぐり)
- 洗米
- かやの実
6品はかわらけ(素焼きの小皿)に入れて奉書紙で包み、穴に納めてお神酒を注ぎます。そのまま本場所の15日間、土俵の下に埋めておきます。
鎮め物が納まると、祭主が土俵の四方の徳俵にお神酒を供えます。このとき脇行司は、土俵下の理事長や審判部長、審判委員にもお神酒を注ぎます。
最後の触れ太鼓はその日のうちに部屋へも来る
献酒が終わると、東の花道から呼出の触れ太鼓が入ってきます。呼出が4人ずつ組になった2基の太鼓で、土俵のまわりを左回りに3周してから、そのまま町へ触れに出ていきます。これで土俵祭は終わりです。
その触れ太鼓は、同じ日のうちに相撲部屋も回ります。僕がいた部屋にも、初日の前日に、触れ太鼓が稽古場まで来ました。呼出が初日の幕内の取組を読み上げてから、太鼓を叩きながら土俵を回る。読み上げられるのは幕内の取組なので、僕たちの名前は入りません。
それでも、跳ねるような軽快な音が腹に響く感じが心地よくて、明日から本場所が始まるんだと、ここで実感がわいてきたんですよね。部屋の土俵祭があった番付発表の日ではなく、国技館で土俵祭が行われたのと同じ、初日の前日のことです。
土俵は、ただ土を盛って固めた台にあらず。
前の日に神を迎え、鎮め物を納めて、はじめて勝負の場となるのである。
神を迎え、勝負の場を清める。
その心を知れば、明日からの一番の見え方も変わるものぞ。
触れ太鼓そのものの打ち方や口上、寄せ太鼓・跳ね太鼓との違いは、太鼓の記事で詳しく書いています。
土俵祭りを行う人と出席する人
そんな式を土俵の上で進めるのは行司で、土俵の下には協会の親方衆が並びます。
祭主は立行司で脇行司が2人つく
そのうち祭主を務めるのは立行司で、神官の装束を着ます。脇行司は幕内と十両の行司から2人がつき、清祓いや祭幣を担います。
土俵祭は、新しく造った土俵の地鎮祭にあたる儀式です。
参考:國學院大學メディア「土俵は神様の宿る場所」(2018年1月18日)
理事長と審判部の親方が参列する
そして土俵の下には、理事長と審判部の親方衆、全行司、溜会(たまりかい。協会を支える維持員の親睦団体)の幹部、協会の関係者が参列します。
2026年の案内では力士は出席しない
2026年の案内と公式配信の説明では、力士は出席しないとされています。
一方で、2022年の相撲博物館の展示解説には、土俵祭には三役以上の力士と協会役員が出席する、とありました。2つの資料で書き方が違う理由は、どちらにも書かれていません。
参考:日本相撲協会 相撲博物館「本場所から本場所まで」(2022年)
番付発表の日に部屋の土俵でも土俵祭りがある
土俵祭は、国技館の本土俵だけで行うものではありません。部屋で土俵を造り替えたときや、地方場所の宿舎に土俵を造ったときにも、行う場合が多い儀式です。
参考:『相撲大事典』第4版(金指基 原著、現代書館)「土俵開き」
ここからは、国技館の話ではなく、僕がいた部屋の話です。本場所の土俵祭は初日の前日ですが、僕がいた部屋の土俵祭は、初日のおよそ2週間前にある番付発表の日でした。
番付発表の日までに土俵を築く
僕がいた部屋では、本場所ごとに呼出が稽古土俵を造り直していました。番付発表の日の前までに呼出が来て土俵を築き、僕たち若い衆はその補助に付きました。
土俵築で僕がやっていたのは、まず古い土俵を崩すことでした。
崩したあとは、たこで土を突き固めます。たこは、持ち上げては落として土を固める道具で、僕がいた部屋では4人一組で持ち、掛け声と一緒に落としていました。
そのあとに、たたきがあります。頭の上に振り上げて打ち下ろし、土俵の面を固めていく仕上げの作業です。これは技術が要って難しく、僕にはできませんでした。兄弟子が数名、たたきを任されていて、僕は崩すのとたこまでが持ち場だったんです。
たこって、持ち上げて落とすだけに見えるけど、掛け声に合わせて何度も続けると、腕より先に腰にくるんだよね。
土俵の土がどうしてあんなに固いのか、自分で突いてみて初めて分かった気がするなぁ。
塩を盛って鎮め物を用意する
土俵ができると、番付発表の日に土俵祭です。僕の仕事は部屋の行司の手伝いで、土俵に塩を盛り、お神酒と、鎮め物にするするめや米を用意しました。
祭主は、部屋の行司とは別に、一人の行司が部屋に来て執り行いました。部屋の行司がその補助に付き、僕はさらにその補助です。祭主の行司が着替えるときも、それを手伝う部屋の行司の補助をしました。
ただ、本場所のような白装束の人はいませんでした。師匠も関取も、部屋の全員が土俵のまわりに参列して、式そのものは10分くらいだったと思います。東京の部屋でも、地方場所の宿舎に造った土俵でも、場所ごとに同じことをしていました。
そんな部屋の土俵祭を、本場所の土俵祭と並べると、違いは次のとおりです。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 本場所の土俵祭 | しんざぶろうがいた部屋の土俵祭 | |
|---|---|---|
| いつ | 初日の前日 | 番付発表の日 |
| 祭主 | 立行司 | 部屋とは別の行司が一人 |
| 装束 | 神官装束 | 白装束の人はいない |
| 出る人 | 力士は出席しない(2026年) | 師匠も関取も部屋の全員 |
| 長さ | 20〜30分ほど | 10分ほど |
土俵祭りの前と後(土俵築・優勝額贈呈式・神送りの儀)
土俵祭は、本場所の土俵をめぐる流れの真ん中にあります。前には呼出の土俵築があり、東京場所では続いて優勝額贈呈式が行われ、15日目の千秋楽には、迎えた神様を送る儀式があります。
呼出が3日かけて土俵を築く
このうち国技館の本場所の土俵は、呼出が全員で、場所前に3日かけて築きます。前々場所で使った土俵の土台を残して表面から20センチほどを削って打ち返し、新しく入れる荒木田(あらきだ)という土は8トンほどになります。大阪・名古屋・福岡の地方場所では本場所のあとに土俵を撤去するので、場所ごとに土台から新しく造ります。
そもそも神様を迎える土俵は清浄でなければならない、という考えがあり、どちらの会場でも本場所ごとに造り直します。
参考:文藝春秋 立呼出・克之「土俵築」(2025年12月号)
東京場所では優勝額贈呈式が続く
そして東京の本場所では、土俵祭に続いて、国技館の正面玄関で優勝額贈呈式が行われます。力士が出ない土俵祭と違って、こちらでは前の2場所の優勝力士に額が贈られます。2026年1月10日には、前年の秋場所で優勝した大の里と、九州場所で初優勝した安青錦が出ました。
国技館に掲げられる優勝額は、縦3.17メートル、横2.28メートル、重さは約80キロあり、畳5枚分ほどの大きさです。
参考:『全部わかる大相撲ガイド』(2019年)/デイリースポーツ(2026年1月10日)/日本相撲協会「大相撲クイズ」
千秋楽の神送りの儀で神様を送る
そうして土俵祭で迎えた神様は、15日目の千秋楽に送られます。表彰式のあと、幣を持った行司を胴上げする神送りの儀で、神様は天に返されます。そのあと土俵の中央を掘り返して、土俵祭で納めた鎮め物を取り出します。
土俵祭で迎えた神様を、千秋楽に送り出す日まで決まっているんですね。
15日間の取組を、神様と一緒に見ていたんだと思うと、千秋楽の見え方も変わりそうです♪
その神送りの儀と、同じ千秋楽に行われる出世力士手打ち式の様子は、秋場所の記事に書いています。
土俵祭りに関するよくある質問
土俵祭を見に行く前に出やすい疑問に、順に答えます。
Q1. 土俵祭りの読み方は?
A. 「どひょうまつり」と読みます。「土俵祭」とも書き、読みは同じです。別名を「方屋開き(かたやびらき)」といいます。
Q2. 土俵祭りは何時から何時までですか?
A. 例年、午前10時に始まり、20〜30分ほどで終わります。2026年九月場所の国技館では、入場が9時20分から9時50分までで、それを過ぎると入れませんでした。
Q3. 予約やチケットは要りますか?
A. 2026年九月場所の国技館では、入場は無料で予約も要りませんでした。ただし、2026年の名古屋のように一般公開がなく、ファンクラブ会員向けの抽選の見学会だけになる場所もあります。出かける前に、その場所の案内を確かめてください。
Q4. 土俵祭りに力士は出ますか?
A. 2026年の案内では、力士は出席しないとされています。土俵の上にいるのは祭主の立行司と脇行司2人で、土俵下に理事長と審判部の親方衆が並びます。東京場所では、土俵祭に続いて優勝力士に優勝額が贈られます。
Q5. 大阪・名古屋・福岡でも見られますか?
A. 土俵祭はどの場所も本場所の会場で行われます。ただし一般公開は会場ごとに違い、2026年は、大阪が入場9時30分からの公開、名古屋はファンクラブ会員向けの見学だけでした。福岡を含めて、出かける前に協会の案内を確かめてください。
Q6. 行けないときは配信で見られますか?
A. 2026年九月場所の土俵祭は、日本相撲協会の公式YouTubeで生配信され、いまも見られます。2027年の配信の予定は、協会の案内で確かめてください。
まとめ
初日の取組が始まる前の日に、同じ土俵の上で神官の装束を着た立行司が祝詞を上げ、中央の穴に塩やするめを納めている。それを知ってから初日の中継を見ると、力士が塩をまく土俵が、前の日に清められた場所に見えてきます。
そして僕にとって本場所の始まりは、初日の朝ではなく、前日に稽古場へ響いた触れ太鼓の音でした。腹に響くあの音で、明日からだ、と体が切り替わったんです。
次の本場所は、一般公開があるかを確かめたうえで、初日の前の土曜の朝に会場で、土俵に神様が迎えられるところから見てみてください。
土俵は我が戦場なり。
その戦場は、場所ごとに土を新しくし、神を迎えて開かれるのである。
勝負は初日に始まれど、土俵の支度は前の日に整うぞ。
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