横綱土俵入りの型と作法!本場所で見られる時間まで元力士が解説
本場所で横綱土俵入りが行われている時間、付け人だった僕は支度部屋にいました。幕内土俵入りから戻ってきた関取の化粧廻しを外して締め込みを着け、立ち合いの動きを合わせる相手をする。見ている暇なんて、なかったんですよね。
横綱土俵入りは、どこを見るかを先に知っておくと、同じ数分が別物になります。
こんにちは!元力士のしんざぶろうです。
横綱土俵入りとは、横綱が露払い(つゆはらい)と太刀持ち(たちもち)を従えて行う土俵入りで、本場所では幕内土俵入りのあとに、横綱が一人ずつ行います。
客席で見るとなると、何時に席に着いていればいいのか、どこを見ればいいのか、迷いませんか。
この記事では、横綱土俵入りが本場所の何時に見られて、何を見ればいいのか、2つの型はどう見分けるのかを、付け人として支度部屋にいた元力士の目線で解説します。
横綱土俵入りって、見ているとあっという間に終わるんだよなぁ。
あの数分に、見るところがそんなに詰まっているなんて。
読み終わったら、次の場所で確かめたくなりそうだよ。
横綱土俵入りは本場所で何時に見られるのか
本場所の横綱土俵入りは、幕内土俵入りの直後に行われます。2026年11月の九州場所なら、通常日は午後3時55分ごろが目安で、初日と千秋楽はそれより早まります。
時刻の細かい話はあとに回して、まず横綱土俵入りがどんなものかを映像で確かめてください。2025年5月31日、琴恵光(ことえこう)の引退相撲で、大の里が国技館で初めて披露した横綱土俵入りの映像です。本場所ではなく花相撲の土俵入りですが、所作の順番は本場所と同じです。
見るときは、横綱の左右で蹲踞(そんきょ)している2人の位置と、せり上がりで横綱の右手だけが前に伸びていくところに注目してみてください。
映像で見ると、横綱が動いているあいだ、左右の2人はずっと蹲踞したままなんですね。
私だったら途中で足がしびれてしまいそうです。
右手だけがすーっと前に伸びていくのは、何か意味があるのかな?
十両土俵入りと幕内土俵入りのあとに行われる
本場所の一日の、午後の流れを順に並べると、次のようになります。
■本場所の午後の進み方
- 十両土俵入り
- 十両の取組
- 幕内土俵入り
- 横綱土俵入り
- 中入り(なかいり。短い休憩で、翌日の取組披露がある)
- 幕内の取組
この十両と幕内の土俵入りでは、化粧廻し(けしょうまわし)を締めた力士が東西に分かれて土俵を一周します。横綱はその列には入らず、幕内力士が花道を下がったあとに、綱を締め、太刀持ちと露払いを連れて別に上がります。
だから客席から見ると、化粧廻しの列が引いたあとの数分が横綱土俵入りの時間です。幕内土俵入りが始まる前に席に着いていれば、横綱土俵入りを見逃すことはありません。
土俵入りの時刻は初日と千秋楽が早い
2026年11月の九州場所では、十両土俵入りが午後2時15分ごろ、幕内土俵入りが午後3時40分ごろ、横綱土俵入りが午後3時55分ごろの目安です。初日は十両が午後2時5分、幕内が午後3時30分と10分早く、千秋楽は十両が午後1時45分、幕内が午後3時15分で、通常日より25分から30分早まります。
ただ、日によって大きく動くのは、朝の取組開始の時刻のほうです。十三日目と十四日目は序ノ口の取組が午前11時ごろ、千秋楽は午前10時20分ごろから始まりますが、午後の土俵入りの時刻は初日と千秋楽をのぞいてほぼ変わりません。
ですから、席に着く時間を決めるなら、その日の幕内土俵入りが始まる10分から15分前を目安にすると、十両の取組の終わりから横綱土俵入りまでを続けて見られます。通常日なら午後3時半ごろ、千秋楽なら午後3時ごろです。進行で前後することはあるので、当日の取組表もあわせて確かめてください。
参考:日本相撲協会「令和八年十一月場所 観戦案内 土俵上の時間割」
横綱が2人いるときと休場のとき
さらに、横綱が2人いる場所では、横綱土俵入りも2回あります。それぞれが自分の太刀持ちと露払いを連れて、一人ずつ土俵に上がります。2026年11月の九州場所は、大の里と豊昇龍の2横綱です。
一方で、横綱が休場した日は、その横綱の土俵入りはありません。横綱が一人もいない場所や、2人とも休場した日は、幕内土俵入りが終わるとそのまま中入りに入り、幕内の取組へ進みます。
なお、直近の本場所の日程やチケットの取り方は、九州場所の記事にまとめています。
横綱土俵入りの流れと見どころ
横綱土俵入りの所作は、土俵に上がってから下りるまでの順番が決まっています。見どころを順に追うと、塵浄水(ちりちょうず)、四股、せり上がりの3つです。
行司の先導で三人が土俵に上がる
花道からは、柝(き)を打つ呼出、先導する行司、露払い、横綱、太刀持ちの順に入場します。露払いが先に土俵へ上がり、横綱が続き、太刀を持った太刀持ちが最後です。
そして土俵の上では、露払いが横綱の左、太刀持ちが右に位置し、三人とも勝負俵の内側で蹲踞します。
塵浄水と柏手で身を清める
蹲踞した横綱は、まず塵浄水を行います。両腕を左右に大きく広げる動きで、清浄潔白、つまり何も隠し持っていないことを表します。
続いて横綱が土俵の中央へ進んで正面を向くと、行司が軍配の房を回しながら「シー」と声を出します。これが警蹕(けいひつ)で、静粛に、という意味です。そのあと横綱は柏手(かしわで)を打ちます。客席の「よいしょ!」の掛け声は、このあとの四股に合わせてかかります。
四股からせり上がりへ
柏手のあと、横綱は四股を踏みます。片足を高く上げて踏み下ろす動きで、客席の掛け声がそろうのはここです。
その四股のあと、腰を深く落とした下の構えから、小刻みに足を運びながら上体を起こしていくのがせり上がりです。下の構え、中の構え、上の構えと体勢が変わり、このときの手の形が雲龍型(うんりゅうがた)と不知火型(しらぬいがた)で違います。
せり上がりが終わると、横綱は二度四股を踏み、二字口(にじぐち)に戻って塵浄水をし、土俵を下ります。最後の四股には、災厄を追い払う意味があります。
参考:『相撲大事典』第4版、金指基 原著、現代書館「横綱土俵入り」p.337、「警蹕」p.100、「還暦土俵入り」ほか
僕なんか稽古で腰を割ったあと、ただ立ち上がるだけでグラグラしてたなぁ。
横綱はあの低さのまま足を運んで、しかも手の形まで決めている。見た目よりずっと足腰にくると思うよ。
また、四股そのものにどんな意味があり、なぜ力士が毎日踏むのかは、四股の記事に書きました。
雲龍型と不知火型の見分け方
横綱土俵入りには雲龍型と不知火型の2つの型があり、綱の結び目とせり上がりの手を見れば、客席からでも見分けられます。
綱の輪と手の形で見分ける
見るところは2か所です。横綱が背中を向けたときに見える綱の結び目の輪が、雲龍型は1つ、不知火型は2つ。せり上がりで右手を斜め前に伸ばして左手を脇腹に当てるのが雲龍型、両手を斜め前に広げるのが不知火型です。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 雲龍型 | 不知火型 | |
|---|---|---|
| 綱の結び目の輪 | 1つ | 2つ |
| せり上がりの手 | 右手を斜め前へ、左手は脇腹 | 両手を斜め前へ |
| 表す姿勢 | 攻めと守り | 攻め |
雲竜型と書くこともありますが、同じ型です。
名前の由来は江戸の横綱
型の名は、江戸時代の横綱、第10代の雲龍久吉(うんりゅう ひさきち)と第11代の不知火光右衛門(しらぬい こうえもん)から取られています。どちらも幕末に横綱免許を受けた力士で、錦絵にその土俵入りが残っています。
一方、横綱土俵入りそのものの始まりは、さらに前の寛政元年(1789年)です。谷風梶之助(たにかぜ かじのすけ)と小野川喜三郎(おのがわ きさぶろう)が横綱免許を受けて一人土俵入りを披露し、これが横綱の始まりとされています。
参考:相撲博物館「横綱」展(2017年)/日本相撲協会「歴代横綱」
現役横綱はどちらの型か
2026年10月時点の横綱は豊昇龍と大の里の2人で、どちらも雲龍型です。2026年1月の明治神宮でも、2人がそろって雲龍型の土俵入りを奉納しました。さかのぼると、2025年1月に引退した照ノ富士は不知火型で、白鵬も不知火型でした。
ただし、型は一門で決まっているわけではなく、新しく横綱になる力士ごとに選ばれます。兄弟で横綱になった若乃花と貴乃花は、兄の若乃花が不知火型、弟の貴乃花が雲龍型と、同じ部屋でも型が分かれました。
参考:東スポWEB(2025年1月)/時事ドットコム(2026年1月6日)/現代ビジネス(2026年1月23日)
この型の話で、僕には子供のころから引っかかっていることがあります。小学生のころ、親から、不知火型の横綱は短命だと聞きました。横綱でいられる期間が短い、という意味です。当時は千代の富士の全盛期で、千代の富士は雲龍型でしたから、雲龍型のほうが強いのだと素直に信じていたんです。そのあと貴乃花が活躍するなかで、不知火型の若乃花が怪我で引退したときは、やっぱり当たっていると思いました。
ところが、白鵬が不知火型で長く横綱を務めました。だから大人になった僕は、あれは当時の横綱たちを見て勝手に作られた話だったのかもしれない、と思っています。
綱の寿命を決めるのは、型ではないな。
白鵬が長く綱を張れたのは、型のおかげでも、型のせいでもない。日々の稽古と、怪我との付き合い方だ。
どちらの型でも、せり上がりで伸びていく手を見てみるといい。
太刀持ちと露払いは誰が務めるのか
横綱の左右に座る太刀持ちと露払いは、幕内力士が務める役で、横綱の付け人とは別の立場です。
同じ部屋か一門の幕内力士が務める
太刀持ちは、横綱と同じ部屋か同じ一門の幕内力士が務め、露払いより番付が上の力士の役とされています。太刀を捧げた右腕の肘を真横に張り、土俵の上では横綱の右側に座ります。露払いも同じく同部屋か一門の幕内力士で、横綱の左側です。
もし同じ部屋に幕内力士がそろわないときは、同じ一門の部屋の力士が務めます。一方で付け人は、幕下以下の力士が関取の身の回りを担う役なので、土俵入りで横綱の脇に座る2人とは別です。
その付け人が一日に何をしているのかは、付け人の記事に書きました。
先に土俵に上がるのは露払い
入場の順番は先に書いたとおり、露払い、横綱、太刀持ちです。露払いは横綱の前を歩く役で、名前のとおり先に土俵に上がります。太刀持ちは横綱の後ろから続き、太刀を捧げて横綱の右に控えます。
そして横綱が塵浄水から四股、せり上がりまでを一人で演じている間、この2人は左右で蹲踞したまま動きません。
横綱によって顔ぶれが変わる
その太刀持ちと露払いは、いつも同じ2人と決まっているわけではなく、場所によって、ときには日によって顔ぶれが変わります。大の里の2026年を追うと、1月の明治神宮では太刀持ちが一山本(いちやまもと)、露払いが隆の勝(たかのしょう)でした。九月場所の四日目も隆の勝と一山本の2人でしたが、本場所中に日によって替わることもあります。
<四日目の様子>
横綱 大の里土俵入り
太刀持ち・露払いを務めるのは、隆の勝と一山本。#sumo #相撲 #九月場所 pic.twitter.com/V5IlXRHq10— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) September 16, 2026
見るときは、太刀を捧げた右腕と、横綱と2人の化粧廻しがそろいの柄になっているところに注目してみてください。
太刀持ちと露払いって、横綱の付け人が務めているのかと思っていました。
幕内力士が2人も、横綱のためにずっと座っているなんて、ぜいたくな光景ですね。
次に見るときは、どの部屋の力士か調べてから行ってみます♪
元力士が支度部屋側から見た横綱土俵入り
ここからは客席の話ではなく、付け人として本場所の支度部屋にいた、現役のころの僕の話です。はじめに断っておくと、僕は本場所の横綱土俵入りを、客席からも花道からも見たことがありません。見ていなかった元力士が案内役というのも変ですが、支度部屋側からは、客席とは別のものが見えていました。
持ち場は支度部屋で花道には出られなかった
支度部屋から花道にかけての景色は、こんなふうでした。
横綱土俵入りの時間帯、僕の持ち場は支度部屋で、関取の支度に手を取られていました。
幕内土俵入りのほうは、花道の奥から見たことがあります。ただ、支度部屋から花道まで関取衆がいっぱいいるので、そんなに自由に動けるわけではありません。邪魔をしてはいけないと思って、おとなしくしていました。
僕がいた部屋にも一門にも横綱はいなかったので、本場所の横綱土俵入りに自分の部屋が関わることはありませんでした。太刀持ちや露払いに出る関取も、身近にはいなかったんです。
そんな時間の花道を写した一枚があります。幕内土俵入りを終えて西の花道を下がる力士の列と、その横を急ぎ足で横綱土俵入りへ向かう2人の幕内力士です。この時間、支度部屋の前は人の行き来が重なります。
<三日目の様子>
幕内土俵入りを終え西の花道を下がる力士達横綱土俵入りに向かう翠富士と照強は急ぎ足 #sumo #相撲 #夏場所 #五月場所 pic.twitter.com/IlzApfe89a
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) May 10, 2022
下がってくる幕内力士の列と、逆向きに急ぐ2人の化粧廻しが、同じ一枚に収まっています。
綱を締めるのも付け人の仕事
横綱の綱も、本場所では支度部屋で数人の付け人が締めます。引退相撲や巡業では、この綱締めを土俵の上で実演することがあります。ただ、これは僕が自分で見た話ではありません。僕が巻いていたのは、付いていた関取の化粧廻しで、付け人2人がかりでした。
この2人で巻いた話と、化粧廻しそのものの作りや値段は、化粧まわしの記事に書いています。
升席で初めて生で見た
そんな僕が横綱土俵入りを客席から見たのは、現役を引退してからです。付け人をしていた関取の引退相撲で升席(ますせき)に座り、初めて生で見ました。テレビと違ったのは歓声と拍手で、変な言い方ですが、本当にいるんだぁ、という驚きでした。
升席で見たとき、体に残ったのは四股の力強さなんです。
テレビで何度も見ていた動きなのに、目の前で踏まれると別のものでした。
支度部屋で関取の支度をしていたころには、知りようのない数分でした。
この升席で見た日の話は、明治神宮の奉納土俵入りの記事で詳しく書いています。
本場所以外で横綱土俵入りが見られる場面
横綱土俵入りは本場所の15日間に限ったものではなく、神社への奉納や花相撲でも見られます。
年間の奉納土俵入り
奉納土俵入りは、神社で一年の無事を祈って横綱が行う土俵入りです。毎年の行事として行われているものを、一年の順に並べます。
■一年の奉納土俵入り
- 1月 明治神宮(東京):初場所の前。2026年は1月6日に豊昇龍と大の里が奉納しました
- 2月末〜3月 住吉大社(すみよしたいしゃ、大阪):大阪場所の前。2026年は2月28日に両横綱が奉納し、約2,500人が集まりました
- 4月 靖国神社(やすくにじんじゃ、東京):春巡業の中の奉納大相撲。2026年は4月13日に両横綱が土俵入りを披露しました
- 7月 熱田神宮(あつたじんぐう、名古屋):名古屋場所の前。2026年は7月4日に両横綱が奉納し、約5,000人が集まりました
- 10月 明治神宮(東京):秋の大祭の前。2026年は10月5日に両横綱が奉納し、約1,200人が見守りました
- 11月 住吉神社(福岡):九州場所の前に行われてきました
参考:『裏まで楽しむ!大相撲』ダグハウス編、KADOKAWA、2017年
参考:西日本新聞(2026年2月28日)/デイリースポーツ(2026年4月13日・7月4日、2021年10月3日)/明治神宮「横綱による手数入が奉納されました」
多くは本場所の前に行われるので、本場所のチケットが取れなかった年でも、横綱土俵入りを生で見る機会になります。ただし、日程や一般に公開されるかどうかは年や行事によって違うので、出かける前に神社や協会の案内を確かめてください。また、一年の行事がどう並んでいるかは、年間スケジュールの記事に書きました。
新横綱の推挙式と引退相撲
新しく横綱が誕生すると、明治神宮で横綱推挙式(よこづなすいきょしき)が行われ、新横綱はその場で最初の横綱土俵入りを奉納します。2025年には豊昇龍と大の里が、それぞれこの境内で推挙状を受けて土俵入りを行いました。
また、引退相撲では、引退する横綱が最後の横綱土俵入りを披露します。2026年1月31日の照ノ富士の引退相撲(伊勢ヶ濱〈いせがはま〉襲名披露大相撲)では、太刀持ちを豊昇龍、露払いを大の里と、現役の2横綱が務めました。本場所では見られない顔ぶれです。
還暦土俵入りは赤い綱
60歳を迎えた元横綱が、赤い綱を締めて行うのが還暦土俵入りです。本人の周りが盛り上げて行うもので、辞退して赤い綱だけを贈られた横綱もいます。2015年の時点で行ったのは10人で、その後に2人が加わりました。
| 代 | 横綱 |
|---|---|
| 第22代 | 太刀山 |
| 第27代 | 栃木山 |
| 第31代 | 常ノ花 |
| 第44代 | 栃錦 |
| 第45代 | 若乃花(初代) |
| 第48代 | 大鵬 |
| 第52代 | 北の富士 |
| 第55代 | 北の湖 |
| 第57代 | 三重ノ海 |
| 第58代 | 千代の富士 |
| 第63代 | 旭富士(2021年10月3日) |
| 第61代 | 北勝海(2023年9月2日) |
このうち旭富士(あさひふじ)は、不知火型で行いました。太刀持ちは元横綱の日馬富士(はるまふじ)、露払いは元関脇の安美錦(あみにしき)で、どちらも自分の弟子です。近い例では、2023年9月2日に第61代横綱北勝海(ほくとうみ)の八角(はっかく)親方が還暦土俵入りを行い、太刀持ちを君ヶ濱(きみがはま)親方(元隠岐の海〈おきのうみ〉)、露払いを北勝富士(ほくとふじ)が務めました。
参考:日本相撲協会公式YouTube「照ノ富士 最後の土俵入り」/同「元横綱 北勝海 八角理事長 還暦土俵入り」
白い綱を見慣れた目には、綱の色が変わるだけで別の行事だと分かります。60歳の体で四股を踏み、せり上がるところまで、本場所と同じ順番で進みます。
赤い綱の土俵入りは、僕は見たことがなかったなぁ。
60歳で四股を踏んで、せり上がりまでやるのは、相当体を作り直さないとできないと思うよ。
僕なんか辞めてからは、たまに四股を踏むと次の日に腰にくるようになったよ。
横綱土俵入りに関するよくある質問
横綱土俵入りについて、観戦前に気になりやすい疑問に順にお答えします。
Q1. 横綱土俵入りは本場所で毎日行われますか?
A. 横綱が出場している日は、15日間毎日行われます。幕内土俵入りのあとで、通常日なら午後3時55分ごろが目安です。初日と千秋楽は早まります。休場した横綱の土俵入りはありません。
Q2. 不知火型の横綱には誰がいますか?
A. 近年では白鵬、日馬富士、照ノ富士が不知火型でした。2026年10月時点の横綱、豊昇龍と大の里はどちらも雲龍型です。
Q3. 横綱がいない場所はどうなりますか?
A. 横綱土俵入りはなく、幕内土俵入りが終わると中入りをはさんで幕内の取組に入ります。横綱がいても、休場した日は同じ進み方です。
まとめ
次に本場所へ行くなら、幕内土俵入りが始まる10分前には席に着いていてください。通常日なら午後3時半ごろです。綱を締めた横綱が上がってきたら、せり上がりで前に出る手を見ます。1本なら雲龍型、2本なら不知火型。それで同じ数分が別物になります。
僕がその数分に支度部屋で化粧廻しを外していたころ、客席がどんな顔をしていたのかは知りません。升席で浴びた歓声で、ようやく分かりました。
横綱の左右で蹲踞している2人と、支度部屋で次の取組の支度をしている付け人。土俵の上の横綱を見ながら、その周りの人のことも思い浮かべてみてください。
土俵入りには、相手がいない。
だから、その横綱の強さがそのまま出る。
輪の数と手の形を覚えたら、次は、せり上がる体の静けさを見てみるといい。強さは、静けさの中にある。
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