大相撲秋場所2026!日程・チケット・番付・見どころを大特集【九月場所・両国国技館】
僕が所属していた部屋では、毎年8月になると師匠の出身地で「夏合宿」がありました。九月場所を見据えた仕上げの時期で、巡業に同行しない幕下以下の力士が参加していました。
稽古時間も長く体力的に相当きつかったのですが、合宿明けの九月場所で一気に番付を上げる者もいて、みんな必死でした。しかし、部屋の稽古とは違う空気があって、不思議と楽しい思い出として残っています。
こんにちは!元力士のしんざぶろうです。
いよいよ2026年(令和8年)の大相撲秋場所【九月場所】が近づいてきました。両国国技館で行われるこの場所は、年内で最後の東京開催にあたります。次に国技館で本場所が開かれるのは、年をまたいで初場所です。
さらに今年は、名古屋場所で土俵の景色が大きく動きました。両横綱がそろって二桁に届かず、大関から陥落したばかりの力士が優勝しました。そんな15日間のあとに迎えるのが、この秋場所です。
この記事では、2026年秋場所の日程・チケットの取り方・番付の見どころを解説します。
夏の稽古って聞いただけで暑くて大変そう…!
でも、その成果が九月場所で一気に出ると思うと、観る側もワクワクしちゃうな♪
- 2026年秋場所の日程と、1日ごとの取組開始時間
- 一般発売が終わったあとのチケットの取り方
- 8月31日に発表された新番付と、名古屋場所から続く見どころ
- 元力士から見た、この時期の力士の状態
ちなみに、秋場所以外の本場所の開催地や特徴について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。年間6場所の違いや、それぞれの魅力をできるだけわかりやすく解説しています。
2026年大相撲秋場所【九月場所】の日程・会場・アクセス
まず、2026年の大相撲秋場所【九月場所】の日程です。
- 2026年の秋場所は、9月13日(日)~9月27日(日)の15日間、【両国国技館】で開催されます。
今年の日程で目を引くのが、9月21日(月)から23日(水)まで、祝日が3日続けて場所の中に入っていることです。敬老の日、国民の休日、秋分の日が並び、ちょうど9日目から11日目にあたります。
平日は仕事で動けないという方でも、この3日間なら予定を合わせやすくなります。
開場時間と、取組が始まる時刻
本場所は毎日同じ時間に始まるわけではありません。といっても、動くのは朝の部分だけです。
2026年秋場所は、12日目までが8時45分開場、13日目と14日目が10時30分開場、千秋楽は10時00分開場です。終了はいずれも18時ごろを予定しています。
序ノ口の取組が始まるのは、7日目までが9時10分ごろ、中日から12日目までが9時20分ごろ。13日目と14日目は10時40分ごろ、千秋楽は10時25分ごろと、終盤だけ大きく遅くなります。
13日目から遅くなるのは、幕下以下の取組が終盤にかけて減っていくためです。朝から幕下以下の相撲を見たい方は、12日目までに足を運ぶことをおすすめします。
土俵の上でどんな順に進むのかは、次のとおりです。
・9時20分頃~ 前相撲(3日目より)
・9時10分頃~ 序ノ口から幕下までの取組(初日~7日目9時10分頃、中日~12日目9時20分頃、13・14日目10時40分頃、千秋楽10時25分頃)
・13時00分頃~ 新序出世披露(中日に実施)
・14時15分頃~ 十両土俵入り(初日は14時05分頃)
・14時35分頃~ 十両取組
・15時40分頃~ 幕内土俵入り(初日は15時30分頃)
・15時55分頃~ 横綱土俵入り
・16時05分頃~ 幕内取組
・17時15分頃~ 三役揃い踏み(千秋楽のみ)
・17時55分頃~ 弓取式
・18時00分頃~ 終了
*いずれもおおよその目安で、進行によって前後します。
会場観戦の魅力は、テレビでは味わえない臨場感です。土俵上の張り詰めた空気や、ぶつかり合う音、力士の息遣いまで肌で感じられます。
幕内の取組だけでなく、幕下以下の力士たちの相撲も見応えがあります。スピード感のある攻防は、将来の関取を先に見つける楽しみにもつながります。
両国国技館へのアクセス
両国国技館は東京都墨田区にあり、駅からの近さでも知られています。
JR総武線「両国駅」西口から徒歩約2分、都営大江戸線「両国駅」からは徒歩約5分です。初めて訪れる方でも迷いにくい立地です。
周辺は相撲の街として知られ、相撲部屋やちゃんこ料理店、相撲ゆかりの名所が点在しています。観戦の前後に散策すれば、より深く相撲の世界を体感できます。
■両国国技館の基本情報
- 住所 ⇒東京都墨田区横網1-3-28
- アクセス ⇒JR総武線 両国駅西口から徒歩約2分/都営大江戸線 両国駅から徒歩約5分
現役の頃は、国技館の周りをゆっくり歩く時間なんてなかったんだよなぁ。
今なら時間もあるし、昔お世話になったちゃんこ屋さんにも寄ってみようかな♪
それなら宿泊して、ゆっくり散策するのがおすすめだよ!
僕が旅行の宿を予約するとき、よく使うのが「楽天トラベル」なんだ。毎月5と0のつく日からは、48時間限定で使える宿泊クーポンが配られるよ。先にクーポンを獲得して、予約時に適用すれば、相撲観戦の旅もぐっとお得になる。対象の宿や割引率、使える期間はクーポンごとに違うから、条件だけ先に見ておいてね。(※あとから適用はできません)
力士の場所入りと、入り待ち・出待ちの注意
本場所の日、力士は歩いて国技館へ入っていきます。この「場所入り」の様子は、日本相撲協会公式チャンネルで公開されています。
以下は、令和6年九月場所の場所入りの映像です。関取が国技館へ入っていく様子と、その表情に注目してみてください。
日本相撲協会は、会場周辺での力士の入り待ち・出待ちを、近隣への迷惑になるため控えるよう呼びかけています。国技館の前で待つのではなく、映像で見てください。
館内でも、力士や審判に触れないこと、自分の座席以外では観戦しないことが求められています。
参考:日本相撲協会「令和八年九月場所(東京)観戦にあたっての注意」
秋場所が始まるまでの流れ
秋場所は、番付発表と土俵祭という2つの節目を経て初日を迎えます。どちらも単なる日程上の催しではなく、土俵に立つ準備を整えるための区切りです。
開幕までの日程は以下のとおりです。
番付発表は、昇進や降格が正式に決まり、次の本場所でどの地位に立つのかが明らかになる日です。ファンにとっても、応援している力士の位置を確認できる日になります。
土俵祭は、土俵に神を迎え、15日間の安全と盛況を祈願する儀式です。立行司が祭主を務め、土俵の中央に穴を開けて、塩、昆布、するめ、勝栗、洗米、かやの実などの縁起物を沈めます。
2026年五月場所では、理事長、審判部の親方衆、全行司、溜会幹部と協会関係者が出席し、力士は出席しない形で行われました。
直近の名古屋場所では、土俵祭は一般公開されず、公式YouTubeで生配信されました。土俵祭が一般公開されるかどうかは場所ごとに協会から案内されるので、直前に公式サイトを確認してみてください。
以下は、日本相撲協会公式YouTubeで公開されている、令和7年五月場所の土俵祭の生配信です。祭主が土俵の中央に穴を掘り、供物を埋める場面まで通して見られます。
番付発表の日は、大体の予想は立てているんだけどね。
でも大勝ちしている場所のあとは、やっぱり「もしかして…」って期待しちゃうんだよなぁ。
なお、番付の仕組みや各地位については、ピラミッド図を使って解説した記事があります。番付にまつわる雑学も紹介していますので、あわせてご覧ください。
また、前相撲や新序出世披露の前提になる新弟子検査については、以下の記事で条件から時期までまとめています。
千秋楽後の手打式と神送りの儀
千秋楽のあとには「出世力士手打ち式」と「神送りの儀」が続きます。土俵祭が神を迎える儀式であるのに対して、神送りの儀はその神を送り出し、土俵を元の姿に戻す締めくくりです。
新序出世披露を受けた力士が土俵に上がり、御神酒を捧げて観客と三本締めを行うのが手打ち式で、そのあとに神送りの儀へと進みます。最後は、その力士たちが御幣を持った行司を胴上げして、土俵祭で迎えた神を天に送ります。
2026年秋場所のチケット情報
2026年秋場所のチケットは、先行抽選も一般発売も受付が終了しています。チケット大相撲の販売ページには「完売御礼」と表示され、当日券の販売もない旨が案内されています(2026年8月31日時点)。
一般発売は8月8日(土)10時に始まり、観戦当日17時までの受付予定でしたが、それを待たずに販売予定枚数が終了した形です。
ただし、まだ諦める必要はありません。チケットを手放す人が出れば、公式の仕組みを通して定価で買えるチャンスが残っています。
公式の「定価リセールサービス」が正規ルート
日本相撲協会とチケット大相撲が運営しているのが、完売後でも定価でチケットを譲り合える「定価リセールサービス」です。急に行けなくなった人が定価で出品し、買いたい人が先着順で購入します。
高額転売を防ぎながら、空席を減らすための仕組みです。ただし定価なのはチケット代そのもので、購入時には別途、所定の手数料がかかります。
仕組みの要点は以下のとおりです。
■定価リセールサービスの要点
〇購入する側
- 購入方法は先着順
- 支払いはクレジットカードのみ
- 引取方法は出品されたチケットの設定に従う(変更不可)
- チケット代金に加え、出品者が購入時に支払った各種手数料(特別販売利用料・システム利用料など)も支払う
- 券面には購入者本人の登録氏名が記載される
〇出品する側
- 対象はQRチケット、またはクレジットカード決済で引取前の未発券チケット
- 出品手数料はチケット定価の10%
- 出品期限はQRチケットが観戦日の3日前23時59分、未発券チケットが前日23時59分
- 売れなかった場合は自動でキャンセルされ、手元に戻る
出品は常時あるわけではないので、こまめに見るのが現実的です。リセール成立後は出品も購入も取り消しできない点だけ、先に頭に入れておいてください。
観戦契約約款では、主催者の許可を得ない入場券の転売を禁止しています。家族や友人など特定の関係にある人へ、営利目的でなく譲る場合は例外とされています。
不正転売されたチケットでは、当日入場できない場合があります。転売が確認された場合、ファンクラブ会員資格やチケット大相撲アカウントが停止されることもあります。
値段以前に、席にたどり着けない可能性があるということです。買うなら公式のリセール、と決めておくほうが安全です。
車いす席は電話のみの受付
車いす席は一般発売とは別の枠で、電話のみの取り扱いです。受付は8月24日(月)に始まっており、空席の有無は変わるので、予約専用ダイヤルで確認してください。
■車いす席の予約
- 受付開始:2026年8月24日(月)10:00~
- 受付先:大相撲予約専用ダイヤル 0570-02-9310
- 受付時間:10:00~18:00
相撲案内所は、完売後の当てにはしにくい
昔からある入手方法が「相撲案内所」(旧・相撲茶屋)です。チケットの販売だけでなく、観戦当日の案内や接客まで受け持つ、相撲文化に欠かせない存在です。
ただし、完売後の代わりの手段として当てにするのは難しくなっています。運営元の国技館サービスは、大相撲人気の高まりに伴い、従来のような入場券の手配が困難な状況にあると案内しています。
東京には20軒の相撲案内所があり、国技館サービス株式会社が運営しています。主に4人用の升席を扱い、弁当やお土産がセットになったプランも用意されています。
案内所で購入できた場合は、当日スタッフが席まで案内してくれて、飲食の提供やサポートも受けられます。初めての観戦でも安心できるうえ、特別感のある一日になります。
手配の状況は変わります。最新の案内は公式サイトで確認してください。
完売って聞くとがっかりしちゃうけど、公式のリセールがあるのは知らなかった!
高いお金を払って怪しいサイトで買うくらいなら、こっちを毎日チェックするほうがずっといいよね。
2026年秋場所の番付と見どころ
2026年秋場所の番付は、8月31日(月)に発表されました。横綱から前頭まで、幕内42人の地位が確定しています。
8月31日に発表された秋場所の新番付
東と西に分かれた幕内の番付は、以下のとおりです。年齢は番付発表時点のものです。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 番付名 | 東 | 西 |
|---|---|---|
| 横綱 | 大の里(26) 石川県 二所ノ関 |
豊昇龍(27) モンゴル 立浪 |
| 大関 | 霧島(30) モンゴル 音羽山 |
琴櫻(28) 千葉県 佐渡ヶ嶽 |
| 大関 | 【再大関】 安青錦(22) ウクライナ 安治川 |
|
| 関脇 | 熱海富士(23) 静岡県 伊勢ヶ濱 |
【新関脇】 藤ノ川(21) 京都府 伊勢ノ海 |
| 小結 | 【新小結】 伯乃富士(23) 鳥取県 伊勢ヶ濱 |
【再小結】 大栄翔(32) 埼玉県 追手風 |
| 前頭筆頭 | 琴勝峰(27) 千葉県 佐渡ヶ嶽 |
琴栄峰(23) 千葉県 佐渡ヶ嶽 |
| 前頭二枚目 | 高安(36) 茨城県 田子ノ浦 |
義ノ富士(25) 熊本県 伊勢ヶ濱 |
| 前頭三枚目 | 豪ノ山(28) 大阪府 武隈 |
美ノ海(33) 沖縄県 木瀬 |
| 前頭四枚目 | 隆の勝(31) 千葉県 湊川 |
藤凌駕(23) 愛知県 藤島 |
| 前頭五枚目 | 狼雅(27) ロシア 二子山 |
欧勝馬(29) モンゴル 鳴戸 |
| 前頭六枚目 | 朝乃山(32) 富山県 高砂 |
一山本(32) 北海道 放駒 |
| 前頭七枚目 | 藤青雲(28) 熊本県 藤島 |
錦富士(30) 青森県 伊勢ヶ濱 |
| 前頭八枚目 | 尊富士(27) 青森県 伊勢ヶ濱 |
平戸海(26) 長崎県 境川 |
| 前頭九枚目 | 宇良(34) 大阪府 木瀬 |
獅司(29) ウクライナ 雷 |
| 前頭十枚目 | 王鵬(26) 東京都 大嶽 |
金峰山(29) カザフスタン 木瀬 |
| 前頭十一枚目 | 若元春(32) 福島県 荒汐 |
正代(34) 熊本県 時津風 |
| 前頭十二枚目 | 若隆景(31) 福島県 荒汐 |
朝白龍(27) モンゴル 高砂 |
| 前頭十三枚目 | 朝紅龍(27) 大阪府 高砂 |
阿炎(32) 埼玉県 錣山 |
| 前頭十四枚目 | 翔猿(34) 東京都 追手風 |
千代翔馬(35) モンゴル 九重 |
| 前頭十五枚目 | 【新入幕】 朝翠龍(26) 大阪府 高砂 |
【再入幕】 時疾風(30) 宮城県 時津風 |
| 前頭十六枚目 | 若ノ勝(23) 栃木県 湊川 |
【新入幕】 寿之富士(26) モンゴル 伊勢ヶ濱 |
| 前頭十七枚目 | 【再入幕】 湘南乃海(28) 神奈川県 高田川 |
十両以下も含めた番付を確認したい方は、日本相撲協会の番付表から確認できます。
横綱は東西が入れ替わりました。名古屋場所で9勝を挙げた大の里が東、7勝7敗1休だった豊昇龍が西に回っています。
大関は東に霧島と安青錦、西に琴櫻の3人です。幕内42人のうち前頭は33人になるため、秋場所は西の前頭十七枚目が置かれていません。
新三役は藤ノ川と伯乃富士
三役に、新しい名前が2人入りました。同じ場所で新三役が2人出るのは、2023年1月場所の琴ノ若(現・琴櫻)と若元春以来です。
西関脇に上がったのが、伊勢ノ海部屋の藤ノ川関(ふじのかわ)です。21歳での新関脇で、初土俵から22場所での昇進は歴代10位タイの速さになります。
京都府出身の力士が新三役に就くのは、1828年10月場所の緋縅(ひおどし)以来198年ぶりです。
東小結に入ったのは、伊勢ヶ濱部屋の伯乃富士関(はくのふじ)、23歳です。鳥取県出身では、1964年初場所の初代・琴櫻以来、戦後2人目の新三役になります。
西小結には大栄翔関(だいえいしょう)が戻りました。小結の地位に就くのは2024年9月場所以来です。
新入幕と新十両の顔ぶれ
幕内には、初めて上がる力士が2人います。
高砂部屋の朝翠龍関(あさすいりゅう)は26歳、大阪府出身です。兄の朝紅龍関(あさこうりゅう)も幕内にいるため、史上14組目の兄弟幕内が誕生しました。
伊勢ヶ濱部屋の寿之富士関(としのふじ)も26歳で、モンゴル出身の新入幕としては33人目になります。
十両では、荒汐部屋の丹治関と時津風部屋の時不動関が新十両です。二子山部屋の生田目関は東十両10枚目に載り、7場所ぶりに関取へ戻りました。
番付発表の日って、朝から公式サイトを開いちゃうのよね。
推しの四股名がどこにあるか探すあの時間、けっこう好きなの♪
その生田目が、左膝の大怪我からどうやって関取に戻ってきたのかは、専用の記事にまとめました。
名古屋場所で何が起きたか
この顔ぶれがどう決まったのかは、名古屋場所の15日間にさかのぼります。
2026年七月場所(名古屋場所)は、上位陣にとって厳しい15日間になりました。秋場所につながる主な上位・注目力士の成績は、以下のとおりです。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 番付 | 力士 | 成績 |
|---|---|---|
| 東横綱 | 豊昇龍 | 7勝7敗1休 |
| 西横綱 | 大の里 | 9勝6敗 |
| 東大関 | 霧島 | 12勝3敗 |
| 西大関 | 琴櫻 | 8勝7敗 |
| 西関脇 | 安青錦 | 12勝3敗(優勝・技能賞) |
| 東関脇 | 熱海富士 | 12勝3敗(敢闘賞) |
12勝3敗で3人が並び、千秋楽は優勝決定巴戦になりました。熱海富士が最初の一番で霧島を押し出し、続く安青錦との一番を落として、優勝は2連勝した安青錦のものになりました。
その巴戦が、日本相撲協会公式チャンネルで公開されています。3人がどんな相撲を取ったのか、まずはここから確認してみてください。
うむ。三者が同じ星で並ぶ巴戦は、そう頻繁に見られるものではない。
しかも、その三人全員が秋場所でも注目を集める。名古屋の15日間は、そのまま九月への布石となったわけだ。
横綱2人がどう立て直すか
名古屋場所は、両横綱がそろって二桁勝利に届きませんでした。豊昇龍は13日目終了時点で7勝6敗となり、14日目から休場。大の里は9勝6敗で場所を終えています。
横綱の2人には、優勝争いの中心となる相撲が期待されます。秋場所は、横綱の相撲がどこまで戻るかを見る場所になります。
そして横綱が崩れれば、前頭の力士に金星の機会が回ってきます。名古屋場所で優勝争いを引っ張ったのも、横綱ではなく大関・霧島と関脇の2人でした。
その豊昇龍は、名古屋場所のあとに右膝の手術を受けています。師匠の立浪親方は、秋場所を前にこう話しています。
「内側側副靱帯の部分断裂。まだ四股も踏めていない。中途半端な状態では出せない」
出場するかどうかは、2026年8月末の時点では決まっていません。師匠の言葉からは、厳しい状況がうかがえます。
その金星がどれほどの価値を持つのかは、以下の記事でまとめています。報奨金の仕組みまで具体的に解説しました。
綱とりが続く大関・霧島
横綱が2人とも星を落とした場所で、12勝3敗を挙げたのが東大関の霧島関(きりしま)です。千秋楽の本割で大関・琴櫻を破り、優勝決定巴戦に進みました。
霧島はこの場所、横綱昇進の懸かる綱とりに挑んでいました。巴戦で敗れて優勝は逃しましたが、場所後、浅香山審判部長は秋場所も綱とりが続くとの見解を示しています。
「決定戦は残念だったけど、12番勝ったのは大きい」
ただし、条件は星の数だけではありません。審判部長は綱とりの判断について、内容と結果をトータルで見る、数字だけでなくしっかり見ていかないと、と話しています。
さらに優勝が必要かと問われると、「そこは絶対あると思う」と答えています。
つまり秋場所の霧島は、優勝と、その中身の両方が問われる15日間になります。
参考:日刊スポーツ「秋場所で霧島は綱とり継続、熱海富士は大関とりに 浅香山審判部長が見解示した」
大関に戻る安青錦
名古屋場所で優勝した安青錦関(あおにしき)は、ウクライナ・ヴィーンヌィツャ州出身、安治川部屋所属です。この場所で大関復帰を決め、そのうえで3場所ぶり3度目の優勝を果たしました。
大関から陥落した直後の場所で10勝以上を挙げて復帰を決めた力士が、その場所で優勝したのは、現行の角番制度になった1969年名古屋場所以降で初めてです。
秋場所は、その復帰した地位で迎える最初の場所になります。優勝に加えて技能賞も受けており、相撲の中身も評価された場所でした。
参考:時事ドットコム「安青錦が3度目V 大関復帰決めた場所で」
なお、この優勝を祝うパレードが2026年9月6日(日)に東京・江東区で行われます。人力車に乗って安治川部屋まで進む形で、本場所の前に安青錦を間近で見られる機会になります。
時間やコースは、安治川部屋の公式サイトで確認してください。
陥落した次の場所って、精神的にきついところなんだよね。
そこで10勝どころか優勝まで持っていくんだから、安青錦関は本当に強いよ…
安青錦がどんな道のりで日本にたどり着き、どんな相撲を取るのかは、専用の記事で詳しくまとめています。
大関とりに挑む熱海富士
もうひとりの主役が、熱海富士関(あたみふじ)です。静岡県熱海市出身、伊勢ヶ濱部屋所属。名古屋場所は東関脇で12勝3敗、敢闘賞を受けました。
直近2場所は、五月場所が東関脇で9勝、七月場所が東関脇で12勝。大関昇進の目安とされるのが「三役の地位で3場所合計33勝以上」なので、秋場所で12勝すれば、その33勝に届きます。
場所後、浅香山審判部長は熱海富士の大関とりについて「十分そういう場所になるんじゃないかと思います」と話しています。ただし昇進は番付編成会議で決まるものなので、現時点で確定しているわけではありません。
参考:日刊スポーツ「秋場所で霧島は綱とり継続、熱海富士は大関とりに 浅香山審判部長が見解示した」
熱海富士の相撲を見るときは、決まり手より先に立合いの踏み込みを見てください。前に出られているかどうかが、そのまま結果につながっています。
なお、熱海富士がなぜ押し出しで勝つことが多いのか、197キロという体をどう使っているのかは、別記事で詳しく解説しています。
また、大関・関脇・小結という三役の給料や昇進条件については、以下の記事にまとめました。
元力士しんざぶろうが見る2026年の秋場所
夏の暑さでたまった疲労は、なかなか抜けません。この疲れがどれだけ残っているかが、九月場所の相撲に出ます。
夏の過ごし方は部屋によって違います。巡業に同行する者もいれば、部屋に残って稽古を続ける者もいて、合宿を組む部屋もあれば、組まない部屋もあります。
ただ、どの過ごし方をしても暑さからは逃げられません。僕がいた部屋の稽古場には、冷房がありませんでした。もう20年ほど前の話なので、今の稽古場がどうなっているかは分かりませんし、部屋によっても違うと思います。
僕がいた部屋の夏は、合宿だった
合宿の稽古は、相手と組むものではありませんでした。四股、すり足、てっぽう、そして筋力トレーニングと、自分ひとりで数をこなすものが中心です。
四股とすり足は、腰を落として足を運ぶ動きを繰り返す基本動作です。てっぽうは柱を相手に突っ張りをする稽古で、攻めるときの足の運びと手の動きを、まとめて体に入れます。手だけを鍛えるものではありません。
いつもと違う稽古内容に体は疲れ、毎日、倒れるように眠っていました。
鍛えた分が、そのまま結果になるとは限らない
合宿の甲斐あって、筋力が上がったことは確かです。実際、その夏を越えたあとの九月場所で大勝ちしたこともありました。
ただ、逆の場所もあります。疲労が残ったまま初日を迎えて、負け越したことがありました。
やっている内容は同じ合宿です。自分では、疲労が初日までに抜けたかどうかが大きかったと感じています。
鍛えるのはいいけれど、きちんとケアもしないと本領は発揮できない。そう感じたのは、負け越したほうの場所を終えたあとです。
とはいえ、当時の僕にケアの時間があったかというと、そうでもありません。稽古のほかに雑用があって、体を休めるところまで手が回らなかった。
ただ、それを理由にしてしまうのは、やはり言い訳かもしれません。
秋場所は「疲れが抜けているか」で見ると面白い
疲労を残したまま本場所の土俵に上がると、頭で考えているイメージに、体の動きがついていきません。
足が出ない。相手の動きに対する反応も鈍い。
そうやって、すべてが後手にまわっていきます。
体がとにかく重いんです。
だから僕は、秋場所の相撲を「立合いで前に出られているか」「崩されたあと、足が戻るか」で見ています。僕自身の経験では、夏をどう越えたかは、この2つに表れやすいと感じています。
今年でいえば、大の里がどこまで状態を戻すかが見どころです。
加えて、右膝を手術した豊昇龍が、初日を迎えられるところまで戻るかにも注目しています。
稽古を必死に頑張ってきたのに、本番で体が動かないと何のために追い込んできたんだって思っちゃうんだよね。
やっぱり稽古は絶対重要なんだけど、がむしゃらにやっても本番で通用しない。
やっぱり心身のコンディションを整えることも必要なんだよね。
年内最後の東京場所という区切り
もうひとつ、今年の秋場所には日程上の意味があります。両国国技館で行われる本場所は、この九月場所が2026年の最後になります。
次の十一月場所は福岡開催です。東京の土俵に戻ってくるのは、年が明けて一月場所を迎えてからになります。
力士にとっては、地方場所のように現地の宿舎へ移らず、いつもの部屋から国技館へ通う年内最後の15日間でもあります。
地方場所(大阪・名古屋・福岡)では、各部屋が現地に宿舎を構えて滞在します。東京場所は、地方場所に比べて普段の生活環境を保ちやすい場所です。
生活が大きく変わらないことは、楽なようでいて、言い訳ができないということでもあります。環境のせいにできないぶん、東京場所は実力がそのまま出やすい。そう感じていました。
2026年秋場所に関するよくある質問
最後に、秋場所についてよく聞かれることをまとめました。
Q1. 2026年の秋場所はいつからいつまでですか?
A. 2026年9月13日(日)から9月27日(日)までの15日間です。会場は東京都墨田区の両国国技館です。
Q2. 秋場所は何時から始まりますか?
A. 取組が始まるのは、初日から7日目が9時10分ごろ、中日から12日目が9時20分ごろです。13日目と14日目は10時40分ごろ、千秋楽は10時25分ごろに始まります。
開場は12日目までが8時45分、13日目と14日目が10時30分、千秋楽が10時です。
Q3. 幕内の取組は何時からですか?
A. 幕内土俵入りが15時40分ごろ、横綱土俵入りが15時55分ごろ、幕内の取組は16時05分ごろからです(千秋楽は25分ほど早く進みます)。幕内の取組を中心に見たい方であれば、午後から入場しても間に合います。
Q4. 秋場所の番付発表はいつですか?
A. 2026年8月31日(月)に発表されました。東横綱は大の里、西横綱は豊昇龍です。大関は霧島・琴櫻・安青錦の3人、関脇は熱海富士と藤ノ川、小結は伯乃富士と大栄翔になりました。
Q5. 秋場所のチケットはまだ買えますか?
A. 先行抽選と一般発売は終了しています(2026年8月31日時点)。公式の「定価リセールサービス」に出品があれば購入できます。チケット代は定価ですが、別途、所定の手数料がかかります。
販売状況は変わるので、最新はチケット大相撲の公式ページで確認してください。
Q6. 転売サイトのチケットでも入場できますか?
A. 観戦契約約款は、主催者の許可を得ない転売を禁止しています。不正転売されたチケットでは当日入場できない場合があるため、公式のリセールを利用してください。
うむ。時間を知って行くのと、知らずに行くのとでは、同じ一日でも見えるものが変わる。
朝から入れば、明日の関取が土俵に上がる姿を見ることができるのだ。
まとめ
2026年の秋場所は、9月13日から27日までの15日間、両国国技館で行われます。年内で最後の東京開催にあたる場所です。
チケットは先行も一般も受付を終えていますが、公式の定価リセールサービスという正規のルートが残っています。転売サイトを使わず、まずはこちらをこまめに確認するのが安心です。
番付は8月31日に発表されました。東横綱に大の里、西横綱に豊昇龍が並び、大関は霧島・琴櫻・安青錦の3人です。綱とりが続く霧島、大関に戻った安青錦、大関とりに挑む熱海富士に、新関脇の藤ノ川と新小結の伯乃富士が加わりました。
そして九月場所で効いてくるのは、夏にどれだけ鍛えたかだけではありません。ためこんだ疲労を、初日までにどこまで抜けたかです。土俵際で足がもう一歩出るかどうか。そこを見ていると、勝敗とは別の面白さが見えてきます。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
秋場所は、8時45分から入れる12日目までが個人的におすすめだよ。
静かな館内で幕下以下の相撲を見てから幕内を迎えると、一日がぐっと濃くなるからね。



















