二子山部屋の狼雅とは?本名・出身・高校から休場・復活までを元力士が解説
二子山部屋の狼雅関は、ロシアのトゥヴァ共和国で生まれ、中学時代にモンゴルへ移った力士です。日本の高校へ相撲留学し、外国出身者として初めて高校横綱になりました。
ところが角界に入ってからは、同学年の力士が先に幕内へ昇進していきます。2025年1月場所には右太もも裏(ハムストリング)を痛めて休場し、幕内から十両へ落ちました。
その狼雅が、2026年9月場所の番付で自己最高位を更新しています。
こんにちは、元力士のしんざぶろうです。
外国から来た少年が日本の高校へ相撲留学し、そのまま角界へ進む。狼雅は、その道筋をたどってきた力士です。
ただ、入門してからの歩みは平坦ではありませんでした。番付を落とし、そこからまた幕内に戻ってきています。
この記事では、狼雅の出身や本名、高校時代の経歴、そして休場から幕内へ戻るまでを解説します。
狼雅って、一時期十両まで落ちていたと聞いた気がします。
そこから幕内に戻って、自己最高位まで更新しているなんて、気になります!
狼雅(ろうが)はどんな力士か
狼雅 外喜義(ろうが ときよし)は、ロシアのトゥヴァ共和国で生まれ、二子山部屋で右四つ・寄りを磨いてきた力士です。
まずは、その相撲を見てください。2026年5月場所の千秋楽、豪ノ山との一番です。
勝てば9勝6敗となる相撲でした。組み止めてから寄り倒しで決めるまで、どこで前に出るのかに注目してみてください。
プロフィール
狼雅の基本情報です。
■狼雅 外喜義(ろうが ときよし)
〇年齢・体格・番付・戦歴は2026年9月場所の番付発表時点
- 本名:アマルトゥブシン・アマルサナー
- 生年月日:1999年3月2日(27歳)
- 出身地:ロシア連邦トゥヴァ共和国
- 所属部屋:二子山部屋(師匠は元大関・雅山の二子山親方)
- 身長・体重:184.0センチ・160.0キロ
- 得意技:右四つ・寄り
- 初土俵:2018年11月場所
- 新十両:2022年11月場所
- 新入幕:2023年11月場所
- 最高位:前頭五枚目
- 2026年9月場所の番付:東前頭五枚目
- 通算成績:272勝215敗12休(47場所、2026年9月場所を含む)
- 幕内成績:104勝109敗12休(16場所、同)
- 受賞歴:序二段優勝1回、序ノ口優勝1回
ロシア・トゥヴァ共和国からモンゴル、そして角界へ
狼雅が生まれたのは、ロシア連邦トゥヴァ共和国です。父はモンゴル人、母はロシア人で、中学時代にモンゴルへ移っています。
お父さんがモンゴル人で、お母さんがロシア人なんですね。
ロシアで生まれて、中学時代にモンゴルへ移ったなんて、複雑な背景を持つ力士さんなんだなって、ちょっと驚きました♪
鳥取城北高校時代、外国出身初の高校横綱に
協会の力士アンケートでは、相撲を始めた年齢を15歳と答えています。きっかけは、モンゴルへ移ったころに見かけた1枚の看板でした。
白鵬杯の看板から、鳥取への相撲留学へ
たまたま目にしたのが、白鵬杯の出場者募集の看板でした。父に勧められて出場したところ、狼雅は上位に入ります。
この活躍が、鳥取城北高校で相撲部を指導してきた石浦外喜義さんの目に留まり、相撲留学が決まりました。
参考:日刊ゲンダイ/日本経済新聞「相撲指導30年、全国屈指の強豪校に 石浦外喜義(上)」
3年間で体重を30キロ増やした
入学した当初の狼雅は、線の細い体つきでした。男子部員どころか、女子部員にも負けが込む時期が続きます。
そこから3年間で、体重を30キロ増やしました。
3年生のとき、高校総体の決勝で、のちの豊昇龍を破ります。外国出身者としては、史上初の高校横綱でした。
高校横綱という肩書は、そのまま重圧にもなりました。狼雅はその重圧について、こう振り返っています。
「気持ちが弱かったですね」
参考:日刊ゲンダイ/Number Web「気持ちが弱かったですね」狼雅が語る”外国出身初の高校横綱”という肩書の重圧
外国出身で初めての高校横綱って、相当な重圧だったと思うんだよね。
「気持ちが弱かった」って正直に言えるのも、なんだかすごいなって思うよ。僕なら意地でも言えなかったかもなぁ。
狼雅の入門から関取昇進、そして幕内まで
狼雅は2018年4月から二子山部屋で研修生として過ごし、同年9月の新弟子検査に合格しました。初土俵は2018年11月場所です。
四股名「狼雅 外喜義」の由来
「狼」は、モンゴルの象徴です。「雅」は、師匠である二子山親方の現役時代の四股名、雅山から一字を取っています。
下の名前の「外喜義」は、高校時代の恩師である石浦外喜義さんの名前から取られました。モンゴルとのつながり、師匠の雅山、そして高校時代の恩師との縁が、四股名に込められています。
初土俵から2022年1月場所までの四股名は「狼雅 力」でした。2022年3月場所から「狼雅 外喜義」を名乗っています。
2022年9月28日、新十両が決まる
新十両が決まったのは、2022年9月28日、両国国技館で開かれた番付編成会議でした。
師匠の二子山親方は、こう話しています。
「時間をかけて基礎からやった分、十両では爆発してすぐに(幕内に)上がってほしい」
狼雅本人は、決まるまでの道のりをこう振り返りました。
「何度もチャンスがあったのに、自分が弱かったので決められなかった。決まってうれしいです」
このとき、同学年の豊昇龍・王鵬・琴勝峰は、すでに幕内で相撲を取っていました。その3人について、狼雅はこう続けています。
「そのうち追いつきます」
参考:中日スポーツ
苦しい時間をかけて掴んだ十両であったか。
そのうち追いつきますとは、なかなか言える台詞ではない。その言葉どおりになるか、わしも見ておこう。
新入幕は2023年11月場所
十両で1年を過ごし、狼雅は2023年11月場所で新入幕を果たします。
幕内での成績は、2026年7月場所までの15場所で104勝109敗12休です。勝ち越しと負け越しを繰り返しながら、番付は前頭の中ほどから下で動いてきました。
一方、同学年の豊昇龍や王鵬は、角界入りのあとで先に幕内へ昇進していきました。日刊ゲンダイが取材した関係者からは、穏やかで優しすぎるほどの性格が伸び悩みの一因ではないか、という見方も出ています。
狼雅に付け人はいる?
十両以上の関取になると、身の回りの世話をする付け人が付きます。付け人に就くのは幕下以下の力士で、同じ部屋の力士が務めるのが通例です。
狼雅も関取なので付け人が付いていますが、誰が務めているかは、2026年9月時点で公表を確認できていません。
関取になると付け人が付くのは、僕らのころと変わらないんだね。
狼雅くらいの番付だと、誰が付いているのか気になるなぁ。公表されていないなら、それもまた気になるところだよ。
なお、同じ二子山部屋には、狼雅に続いて関取に昇進した後輩がいます。三田大生については、こちらの記事で解説しています。
狼雅が休場した2025年1月場所と、そこからの復帰
東前頭八枚目で迎えた2025年1月場所が、狼雅にとって大きな分かれ目になりました。
右太もも裏の肉離れで休場
場所前に右太もも裏を痛めていた狼雅は、初日から休場します。5日目から出場したものの2連敗し、7日目の1月18日に再び休場しました。日本相撲協会が翌19日に公表した診断書では、右太もも裏の部分断裂で、約4週間の安静加療を要する見込みでした。
師匠の二子山親方は、このときこう話しています。
「相撲になっていない。しっかり万全に治して、鍛えていきたい」
再出場はなく、この場所は0勝3敗12休で終わりました。この時点で、翌場所の十両陥落が確実になります。
参考:日本経済新聞/日本経済新聞/日本相撲協会「狼雅 外喜義」
1場所で幕内へ戻り、そのまま勝ち越す
十両に落ちた2025年3月場所、狼雅は東十両三枚目で11勝4敗を挙げました。この成績で、次の場所は幕内に戻っています。
復帰した2025年5月場所も、西前頭十四枚目で9勝6敗と勝ち越しました。
この経験を振り返り、狼雅はこう話しています。
「自分の弱いところを知ることができた。また頑張ればいい」
参考:日本相撲協会「狼雅 外喜義」/Number Web「気持ちが弱かったですね」狼雅が語る”外国出身初の高校横綱”という肩書の重圧
番付の推移
2024年1月場所から2026年9月場所までの番付と成績です。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 場所 | 番付 | 成績 |
|---|---|---|
| 2024年1月 | 東十両三枚目 | 9勝6敗 |
| 2024年3月 | 西前頭十五枚目 | 7勝8敗 |
| 2024年5月 | 西前頭十五枚目 | 7勝8敗 |
| 2024年7月 | 西前頭十五枚目 | 9勝6敗 |
| 2024年9月 | 西前頭十枚目 | 8勝7敗 |
| 2024年11月 | 東前頭八枚目 | 7勝8敗 |
| 2025年1月 | 東前頭八枚目 | 0勝3敗12休 |
| 2025年3月 | 東十両三枚目 | 11勝4敗 |
| 2025年5月 | 西前頭十四枚目 | 9勝6敗 |
| 2025年7月 | 西前頭十枚目 | 7勝8敗 |
| 2025年9月 | 西前頭十一枚目 | 7勝8敗 |
| 2025年11月 | 西前頭十一枚目 | 8勝7敗 |
| 2026年1月 | 西前頭九枚目 | 7勝8敗 |
| 2026年3月 | 西前頭十枚目 | 5勝10敗 |
| 2026年5月 | 西前頭十四枚目 | 9勝6敗 |
| 2026年7月 | 西前頭八枚目 | 9勝6敗 |
| 2026年9月 | 東前頭五枚目 | 9月13日初日 |
休場のあと、狼雅は2025年7月場所と9月場所で負け越しましたが、11月場所は8勝7敗で勝ち越しました。2026年1月場所と3月場所は再び負け越したものの、5月場所と7月場所は続けて9勝6敗としています。
2026年8月31日に発表された9月場所の番付では、東前頭五枚目に載りました。自己最高位を更新する位置です。
十両へ落ちてから、たった1場所で幕内へ戻ったか。
そこから自己最高位の東前頭五枚目まで上げてきた。なかなかできることではないぞ。
同じ二子山部屋の生田目も、左膝の怪我で番付を落とし、そこから関取に戻ってきました。その経緯は、こちらの記事にまとめてあります。
元力士が見た、外国出身力士の部屋生活
狼雅が稽古場でどんな時間を過ごしてきたのかは、僕には分かりません。ここからは狼雅の話を離れて、現役のころの僕の話です。
同じロシア出身と聞いて真っ先に思い浮かんだのは大露羅でしたが、話したいのは当時の部屋にいた、また別の外国出身の後輩のことです。
僕が入門して五年目くらいの時期に、その後輩が部屋に入ってきました。
ジェスチャーから、数ヶ月で日常会話ができるまで
入門したばかりのその後輩は、言葉も日本の生活習慣も、ほとんど分からない状態でした。最初のうちは、身振り手振りだけのやり取りがほとんどです。
ところが、そこからの伸びが早いんです。ジェスチャーだけだったやり取りが、少しずつ片言の日本語に変わっていきました。そして数ヶ月もすると、日常会話ならほとんど困らないくらいになっていたんです。
「覚えが早いな」
稽古場でその様子を見ながら、そう感心していたのを覚えています。何でも吸収しようとする素直さが、そのまま言葉の上達につながっているように見えました。
続けて印象に残っているのが、稽古そのものへの向き合い方でした。
一番一番に見せた、最後まで諦めない姿勢
ここも、現役のころの僕がその後輩を見ていた話です。
その後輩は、一番一番を真剣に集中して取っていました。優勢でも劣勢でも、最後まで諦めない姿勢を崩さなかったんです。
今思えば、そこは僕自身の相撲に対する姿勢とは違っていました。何でも吸収しようとするあの素直さと集中力は、僕にとって見習いたいと思わせるものでした。
言葉の覚えの早さも、稽古で見せた諦めない姿勢も、素直に吸収しようとする姿勢から来ているんですね。
私もそんなふうに、何にでも前向きに取り組みたいなって思いました♪
ロシア出身の大露羅については、こちらの記事で詳しく解説しています。
狼雅に彼女はいる?両親・家族は?
狼雅の交際相手や結婚については、2026年9月時点で公表を確認できていません。両親については、今回確認した公式情報・主要報道の範囲では、父がモンゴル人で母がロシア人という出自のほかに詳しい情報は確認できませんでした。
分かっているのは、狼雅が土俵の外でどんな一面を見せているかのほうです。
父の勧めと、相撲への転機になった白鵬杯
狼雅が鳥取城北高校への相撲留学へ進む大きな転機になったのが、父に勧められて出場した白鵬杯でした。
協会の力士アンケートで、狼雅は相撲を始めた年齢を15歳と答えています。好きな食べ物は肉と魚、好きな漫画は「キングダム」です。
二子山部屋のYouTubeに映る食卓
二子山部屋はYouTubeチャンネルで、力士の食事や朝稽古の様子を公開しています。
2026年8月には、パリ巡業から帰ってきた狼雅が、朝稽古のあとに食卓へ着く回が投稿されました。肉じゃがやとんぺい焼きが並ぶ、部屋の普段の食事です。
パリ巡業のあとも、いつもの食卓に戻るんですね。
海外に行ったり戻ったり、忙しい生活を送っているんだなって伝わってきます。肉じゃがやとんぺい焼き、美味しそうです♪
狼雅の得意技「寄り」
ここまで何度か触れてきた右四つ・寄りを、決まり手のデータから見てみます。
決まり手の内訳
過去6場所の白星を決まり手で見ると、次の割合になります。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 決まり手 | 割合 |
|---|---|
| 寄り切り | 36% |
| 上手投げ | 18% |
| 叩き込み | 9% |
| その他 | 37% |
寄り切りが3分の1を超えています。組んでから前に出て決めるのが、狼雅の白星の柱です。
上手投げも18%を占めており、寄り切りだけでなく、組んだ形から投げで白星を挙げる相撲も見られます。
寄り切りが3割を超えてるのは、狼雅の型がしっかり出来上がってる証拠だと思うんだよね。
上手投げも持ってるっていうのは、勝ち方の引き出しが多いってことだから心強いよ。
狼雅の白星を支えている寄り切りについては、こちらの記事で詳しく書いています。
狼雅に関するよくある質問
読み方や呼び方など、狼雅についての質問に答えます。
Q1. 狼雅の読み方・本名・年齢・出身地は?
A. 狼雅は「ろうが」と読みます。四股名は狼雅 外喜義(ろうが ときよし)で、本名はアマルトゥブシン・アマルサナーです。1999年3月2日生まれの27歳で、出身地はロシア連邦トゥヴァ共和国です(2026年9月場所の番付発表時点)。
Q2. 狼雅の身長・体重は?
A. 184.0センチ、160.0キロです(2026年9月場所の番付発表時点の協会登録値)。
Q3. 狼雅の得意技は?
A. 右四つ・寄りです。過去6場所の白星の内訳は、寄り切り36%、上手投げ18%、叩き込み9%でした。
Q4. 「狼雅関」と呼んでいい?
A. 呼んで問題ありません。「関」は、十両以上の関取に対して使う呼び方です。狼雅は2026年9月場所の番付で東前頭五枚目に載っているため、関取にあたります。なお、幕下以下の力士や引退した力士には付けません。
Q5. 狼雅に彼女はいる?結婚している?
A. 2026年9月時点で、交際や結婚についての公表は確認できていません。
まとめ
狼雅は、ロシアのトゥヴァ共和国で生まれ、中学時代にモンゴルへ移ったのち、二子山部屋に入った力士です。鳥取城北高校へ相撲留学し、3年生で外国出身初の高校横綱になりました。
ただ、角界に入ってからの歩みは速くありません。同学年の力士が先に幕内へ昇進していくなか、2025年1月場所には右太もも裏を痛めて幕内から落ちています。
そこから十両で11勝を挙げて1場所で幕内へ戻り、2026年5月場所と7月場所を続けて9勝6敗で終えました。2026年9月場所の番付は、自己最高位を更新した東前頭五枚目です。
右四つに組んで前に出る相撲が、ここまで狼雅を運んできました。その形が上位でどこまで通用するのか、秋場所の土俵で確かめてみてください。
外国から来た少年が、高校横綱を経て角界に入り、ここまで歩んできた。
番付を落としても、腐らず戻ってきたその粘りこそ、狼雅の芯であろう。この先どこまで伸びるか、楽しみにしておるぞ。


















