大相撲の年間スケジュール|1月〜12月の本場所と行事の流れ
現役のころ、実家に帰れるのは場所が終わったあとの1週間の休みだけで、それも師匠の許可が要りました。
関東に実家があった僕は、東京で場所があるたびに帰ろうと思えば、年に3回帰れたはずです。それでも実際は、年に1回帰るか帰らないかでした。
はっきりした決まりがあったわけではないんですが、僕がいた部屋では勝ち越して帰るのが基本でした。
こんにちは!元力士のしんざぶろうです。
大相撲の本場所は、1月の初場所から11月の九州場所まで、奇数月に年6回行われます。その合間には巡業が入り、本場所も巡業もないのは2月と6月だけです。
では、本場所のない月に、力士は何をしているのでしょうか。
この記事では、大相撲の1年の流れを、本場所・巡業・主な行事に分けて紹介します。
本場所のない月も、1年を並べてみると何かしら予定が入っているんだよね。
どの月に何があるのか、僕も順番に見ていきたいなぁ。
大相撲の1年の流れ(1月〜12月)
相撲界の1年は、本場所と巡業と、その間に入る行事でできています。本場所のある月と巡業のある月は、ほぼ交互に来ます。
月ごとの一覧
このうち本場所の月は毎年変わりません。巡業の行き先は年で変わるので、表には時期だけを置いています。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 月 | 本場所 | 巡業 | 主な行事 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 初場所(東京) | ― | 明治神宮の奉納土俵入り |
| 2月 | ― | ― | NHK福祉大相撲・大相撲トーナメント |
| 3月 | 春場所(大阪) | 月末から春巡業(伊勢神宮の奉納大相撲から) | 新弟子検査(人数がとくに多い場所) |
| 4月 | ― | 春巡業 | 靖國(やすくに)神社の奉納大相撲 |
| 5月 | 夏場所(東京) | ― | 場所前に稽古総見(けいこそうけん)の一般公開 |
| 6月 | ― | ― | 部屋ごとの稽古・合宿(年によって海外公演) |
| 7月 | 名古屋場所 | ― | ― |
| 8月 | ― | 夏巡業 | ― |
| 9月 | 秋場所(東京) | ― | ― |
| 10月 | ― | 秋巡業 | 全日本力士選士権大会 |
| 11月 | 九州場所(福岡) | 月末から冬巡業 | ― |
| 12月 | ― | 冬巡業 | ― |
ただし、表に収まらない行事もあります。新弟子検査は三月場所前だけでなく本場所ごとにあり、引退相撲や断髪式にも、決まった月はありません。
本場所は奇数月の年6回
本場所は1月・3月・5月・7月・9月・11月の年6回で、東京で3回、大阪・名古屋・福岡で1回ずつ行われます。1場所は15日間です。
なお、年6回になった経緯や、地方場所の会場がどう移ってきたかは、6場所の記事にまとめています。
本場所は年6回って知っていたけど、表にすると何もない月が見つからないんですね。
本場所も巡業もない2月にも行事が入っていて、力士のみなさんはいつ休んでいるのかな?
本場所の時期と番付発表・前売りの目安
本場所を見に行くなら、知りたい日付は3つあります。初日がいつか、番付がいつ出るか、チケットがいつから買えるかです。
6つの本場所の時期と会場
6つの場所には、一月場所のような正式の名前のほかに、初場所・春場所といった通称があります。三月場所は大阪場所とも呼ばれます。表の場所名から、それぞれの特集記事に飛べます。
※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます
| 場所 | 月 | 会場 | 番付発表の目安 | 前売り開始の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 一月場所(初場所) | 1月 | 両国国技館(東京) | 前の年の12月下旬 | 初日のおよそ1か月前 |
| 三月場所(春場所・大阪場所) | 3月 | エディオンアリーナ大阪 | 2月下旬〜3月上旬 | 初日のおよそ1か月前 |
| 五月場所(夏場所) | 5月 | 両国国技館(東京) | 4月下旬 | 初日のおよそ1か月前 |
| 七月場所(名古屋場所) | 7月 | IGアリーナ(名古屋) | 6月下旬 | 初日のおよそ2か月前 |
| 九月場所(秋場所) | 9月 | 両国国技館(東京) | 8月下旬 | 初日のおよそ1か月前 |
| 十一月場所(九州場所) | 11月 | 福岡国際センター | 10月下旬〜11月上旬 | 初日のおよそ2か月前 |
名古屋場所の会場は、2025年からIGアリーナに移りました。初日や前売りの正確な日は年ごとに変わるので、各場所の記事で確かめてください。
番付発表は初日のおよそ2週間前
番付は、ふつう初日の13日前の月曜に発表されます。初日は日曜なので、2週間近く前の月曜と覚えておくと見当がつきます。ただし祝日の関係で、2026年の三月場所は2月24日の火曜に発表されました。
一月場所だけは別です。年末年始をはさむので発表が早く、前の年の12月に出ます。令和9年(2027年)の一月場所は12月21日の発表で、初日の20日前です。
へぇ〜、一月場所の番付だけ、前の年のうちに出るんだ。
年末に番付が出て、年が明けたらすぐ初日。力士にとっては、正月気分どころじゃない時期だよなぁ。
チケットの前売り
前売りの始まる時期は、東京と大阪が初日のおよそ1か月前、名古屋と九州がおよそ2か月前です。どの場所も番付が出る前に前売りが始まり、名古屋と九州はさらにひと月早く動き出します。名古屋や福岡で見るつもりなら、早めに日程を確かめておくと安心です。
ちなみに、チケットの買い方と、取れなかったときの探し方は、別の記事にまとめています。
本場所の合間に回る巡業(春・夏・秋・冬)
巡業は、本場所と本場所の間に地方を回って相撲を見せる興行で、春・夏・秋・冬の4回あります。「稽古場所」とも呼ばれ、力士にとっては次の本場所に向けて稽古を積む場でもあります。
参考:『相撲大事典』第4版(金指基 原著、現代書館)「巡業」
2026年の日程では、4回とも直前の本場所の千秋楽から1週間から10日ほどで初日を迎えます。
そんな巡業の土俵を、すぐ下から撮った映像があります。
映っているのは、令和6年の夏巡業、東京・立川立飛(たちかわたちひ)場所の一日です。三役そろい踏みから弓取式までが、土俵下のカメラから収められています。
見るときは、力士の体がどれだけ近くに見えるかに注目してみてください。
春巡業(3月末〜4月)
春巡業は、春場所のあとに回ります。伊勢神宮での奉納大相撲が、春巡業の初めのほうに組まれます。
2026年は3月29日の伊勢神宮奉納大相撲から4月26日の埼玉・入間(いるま)まで回り、4月13日には靖國神社の奉納大相撲がありました。
夏巡業(8月)
名古屋場所が終わると、今度は夏巡業です。2026年は8月2日の岐阜から8月30日の東京・立川まで、東北を長く回りました。
秋巡業(10月)
秋巡業は秋場所のあとで、2026年は10月6日の茨城・つくばから10月25日の山口・宇部(うべ)まで、関東から中国地方へ西に向かう日程です。
冬巡業(11月末〜12月)
そして冬巡業は、九州場所のあとに回ります。2026年は11月29日の熊本・天草(あまくさ)で始まり、九州各地から中国・近畿・東海・関東を回って、最後に12月20日の沖縄・うるまで終わる予定です。
回る地域は年ごとに変わり、日程はその年ごとに日本相撲協会が発表します。
春・夏・秋・冬で全国を回っているなら、私の地元に来る年もありそうですね♪
本場所は東京と大阪、名古屋、福岡だけだから、巡業で近くに来てくれるなら見に行きたいです。日程の発表、チェックしておきます!
本場所と巡業以外の主な行事
本場所と巡業のほかにも、毎年ほぼ同じ時期に行われる行事と、年によって入る行事があります。奉納の土俵入り、花相撲、場所前の稽古総見や新弟子検査です。日付は2026年の例で、年によって前後します。
1月の明治神宮奉納土俵入り
初場所の前に、横綱が明治神宮で土俵入りを奉納します。奉納土俵入りは、天地長久(てんちちょうきゅう)と安全を祈り、土地の邪気を祓(はら)う意味で神社などで行う土俵入りで、ふつうは横綱が務めます。相撲界の新しい年は、この土俵入りから動き出します。
2026年は1月6日に、豊昇龍(ほうしょうりゅう)と大の里の2横綱が土俵入りを奉納しました。
参考:『相撲大事典』第4版「奉納土俵入り」/時事ドットコム(2026年1月6日)
2月のNHK福祉大相撲と大相撲トーナメント
2月は本場所も巡業もありませんが、国技館では2つの花相撲があります。花相撲は、勝ち負けが番付の昇降や給金に関係しない相撲興行のことで、引退相撲やトーナメント方式の大会などもまとめてこう呼びます。2026年は2月7日にNHK福祉大相撲、翌8日に大相撲トーナメントが行われました。
参考:『相撲大事典』第4版「花相撲」/日本相撲協会「相撲カレンダー」
トーナメントは勝ち抜き形式で、本場所の15日間とは進み方が違います。仕組みと見どころは、トーナメントの記事にまとめています。
場所前の稽古総見
稽古総見は、横綱審議委員会の委員が、一月・五月・九月の東京場所の前に関取衆の稽古を見て、仕上がり具合を確かめる行事です。そのうち五月場所前の総見は、国技館の土俵で一般に公開されます。
参考:『相撲大事典』第4版「横綱審議委員会稽古総見」
2026年は5月1日に、国技館で一般公開の総見が行われました。
その日の稽古は、映像でも見られます。
映っているのは、令和8年五月場所前の幕内・十両の稽古総見です。
見るときは、本場所の色とりどりの締め込みではなく、白い稽古まわしで土俵に上がる力士たちの姿に注目してみてください。
見られている稽古に、ごまかしは利かない。
横審の目も客の目も、本場所と同じ重さで向いてくるものだな。
10月の全日本力士選士権大会
全日本力士選士権大会は、明治神宮の例祭を祝って奉納する大会で、国技館でトーナメントを行います。1925年(大正14年)に始まり、戦争による中断をはさんで続いてきました。2026年は10月5日に行われ、翌6日から秋巡業が始まりました。
参考:『相撲大事典』第4版「全日本力士選士権大会」/時事ドットコム(2026年10月5日)
本場所のあとの引退相撲・断髪式
国技館での引退相撲と断髪式は、本場所と本場所の合間に行われます。2026年は1月31日に照ノ富士、5月30日に北勝富士(ほくとふじ)、5月31日に宝富士(たからふじ)の引退相撲がありました。
引退相撲の当日の流れや、誰がはさみを入れるのかは、断髪式の記事に書いています。
場所前の新弟子検査
新弟子検査は、本場所ごとに場所前に行われます。学校の卒業時期と重なる三月場所前は人数がとくに多く、春場所は「就職場所」とも呼ばれます。
参考:『全部わかる大相撲ガイド』(田中亮 著、成美堂出版、2019年)
その検査の中身や、身長・体重の条件は、新弟子検査の記事にまとめています。
年によってある海外公演
一方、海外公演は毎年あるものではなく、相手国から招かれて、本場所と巡業の空いた時期に組まれます。本場所と同じように土俵入りや取組を見せる公演で、1965年(昭和40年)の旧ソ連での公演が最初です。
参考:『相撲大事典』第4版(金指基 原著、現代書館)「海外公演」
2026年は6月13日と14日に、パリで公演がありました。
元力士から見た相撲界の1年
ここまでは協会の暦でした。ここからは、現役のころの僕が過ごした1年の話です。
相撲界の正月は初場所が終わってから
「相撲界の正月は初場所が終わってから」と言われます。各部屋はお屠蘇(とそ)気分もそこそこに初稽古に入り、そのまま初日を迎えます。
参考:『大相撲 知れば知るほど』(「相撲」編集部 編著、ベースボール・マガジン社、2015年)
僕がいた部屋でも、正月はそのとおりでした。
大晦日だけは門限がありませんでした。部屋に留守番を残して、初詣に出かけるなどして羽を伸ばせる日でした。とはいえ初場所が近いので、羽目を外して騒ぐようなことはありません。
元旦は部屋で新年会でした。師匠や関取衆、若い衆が一堂に集まって新年を祝います。翌朝のぶつかり稽古は、いつもより少しだけ厳しめでした。
正月に実家へ帰ることもありませんでした。
この新年会の様子は、初場所の記事のリード文で詳しく書いています。
関取が巡業に出ている間の部屋
巡業には、関取とその付け人をはじめ、行司や呼出(よびだし)、床山(とこやま)なども出かけます。僕は巡業に行ったことがなく、その間は部屋で過ごしていました。
関取が部屋にいるときは、付け人かどうかに関係なく、幕下以下のみんなで関取の世話をします。お風呂の世話や食事の給仕があり、ちゃんこ番は関取のための特別メニュー「つけ出し」も作ります。
関取が巡業で部屋を空けている間は、そうした仕事がなくなります。その分、自分で使える時間が増えたのは、正直うれしかったです。
とはいえ、関取との間にあったのは仕事だけではありません。僕がいた部屋では、関取にたいていお気に入りの力士がいて、付け人でなくてもいろいろな雑用を頼まれる一方で、一緒に遊びにも連れて行ってもらっていました。お互い、いい関係を築いていたんだと思います。
6月は本場所も巡業もない月
6月は、本場所も巡業も入らない月です。部屋で稽古を続けるところ、地方で合宿を張るところ、海外旅行で体を休めるところと、過ごし方は部屋それぞれです。
僕がいた部屋の6月は、はっきりとは覚えていないのですが、ふだんどおり部屋で稽古をしていたと思います。
合宿なら夏で、師匠の故郷に毎年出かけていました。四股やすり足、てっぽうといった基礎と筋力トレーニングを重点的にやり、毎日倒れるように眠っていました。鍛えた分が九月場所にどう出たかは、秋場所の記事に書いています。
場所後の休みと帰省(僕がいた部屋の場合)
休み方は部屋によって違いますが、僕がいた部屋では、千秋楽の翌日から1週間の休みに入りました。本場所の15日間と場所後の休み、そして次の場所に向けた稽古。僕の現役時代の1年は、この繰り返しでした。
僕にとってこの休みは、実家に帰れるかどうかの1週間でした。帰るには、師匠の許可も要りました。
僕がいた部屋では、地方から来た力士は、帰るチャンスが1年に1回しかありませんでした。勝ち越して帰るのが基本とはいえ、それでは何年も帰れなくなってしまうので、負け越しても帰る人はいました。
その一方で、負け越したら帰らないと決めている人もいました。なかには、3、4年帰っていない人もいたほどです。
実家に帰れるかどうかまで、その場所の成績しだいだったんですね。
テレビで千秋楽を見終わったあとに、力士の帰省のことまで考えたことはなかったです。
こうした休みの日の過ごし方や、休みにまつわる部屋の決まりは、幕下以下の生活の記事に書いています。
大相撲の年間スケジュールに関するよくある質問
Q1. 大相撲の本場所は年に何回ありますか?
A. 年6回です。1月・5月・9月は東京の両国国技館、3月は大阪、7月は名古屋、11月は福岡で、どの場所も15日間です。
Q2. 初場所はいつ始まりますか?
A. 例年、1月の第2日曜が初日です。2026年は1月11日でした。正確な日は初場所の記事で確かめてください。
Q3. 巡業の日程はいつわかりますか?
A. 春・夏・秋・冬の巡業の日程は、年ごとに日本相撲協会の公式サイトで発表されます。回る地域は年で変わるので、地元に来るかどうかは、その年の発表で確かめてください。
Q4. 本場所のない月に力士は何をしていますか?
A. 巡業のある月は、巡業に出る関取や付け人などが各地を回り、朝稽古と取組を続けます。巡業に出ない力士は、部屋に残って稽古をします。巡業もない6月は、部屋で稽古を続けたり地方で合宿を張ったりと部屋それぞれです。僕がいた部屋では、ふだんどおり部屋で稽古をしていたと思います。
Q5. 本場所のチケットはいつから買えますか?
A. 東京と大阪は初日のおよそ1か月前、名古屋と九州はおよそ2か月前から前売りが始まるのが目安です。正確な発売日は、各場所の記事か日本相撲協会の案内で確かめてください。
まとめ
本場所の15日間は、中継やニュースで毎日目に入ります。けれど力士の1年は、その15日間が6回あるだけではありません。巡業で各地を回り、場所前には稽古総見や新弟子検査があります。僕がいた部屋では、千秋楽の翌日からの1週間が休みでした。
関東に実家があった僕は、その休みに年3回帰れたはずでした。実際に帰ったのは年に1回あるかないかで、部屋には何年も帰らない人もいました。
次に番付発表や巡業のニュースを目にしたら、本場所までの間に力士がどこで何をしているのか、少し思い浮かべてみてください。
15日の土俵を支えているのは、場所と場所の間の日々だ。
巡業で踏んだ四股も、部屋で重ねた稽古も、本場所の一番に出るものだな。
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- 本場所前に展望号、本場所後に総決算号が刊行。場所ごとの流れを追える
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- 無料期間のあとは自動更新(Webからの申し込みは月額597円・税込、アプリからは月額710円・税込)。電子版は一部の記事・写真と別冊付録が非掲載



















