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朝、頼まれた時間に関取を起こしに行きます。起こしたら、前もって準備しておいたまわしを持っていって、その場で付ける。僕の一日は、そこから始まっていました。

稽古場ではできるだけ近くにいて、呼ばれたらすぐ動きます。稽古が始まればタオルを持ち、背中の汗や砂を拭いたり叩いたりする。

何をするにも、まず関取のほうを見てから自分の手が動く。一日を通して、気が休まることはなかったと思います。

こんにちは!元力士のしんざぶろうです。

付け人とは、十両以上の関取の身のまわりを世話する、幕下以下の力士のことです。

取組の中継で「付け人が」という説明を聞いて、関取の後ろにいるあの力士は何者なのだろう、と思ったことはないでしょうか。

番付が下の力士が上の力士の世話をする。そう聞くと、下働きをさせられているように見えるかもしれません。

ただ、部屋で起きているのはそれとは別のことです。関取の側にも、付け人を力士として育てる責任があります。

この記事では、付け人の仕事・人数・誰がどうやって決まるのか・給料まで、稽古場と本場所の一日を追いながら解説します。

相撲観戦大好き さくら
相撲観戦大好き さくら

一日じゅう気が休まらない、というのが想像できません。

関取の後ろに立っている方って、そんなに動いているんですね。

相撲をもっと知りたい方へ

しんざぶろう
しんざぶろう

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もくじ
  1. 付け人とは?関取の身のまわりを世話する幕下以下の力士
  2. 付け人は何人つく?番付によって変わる
  3. 付け人は誰が、どうやって決まる?
  4. 付け人の一日|稽古場でしていたこと
  5. 稽古が終わってから、夜まで
  6. 本場所の付け人|化粧まわし・締め込み・さがり
  7. 付け人に給料は出る?
  8. 付け人に関するよくある質問
  9. まとめ

付け人とは?関取の身のまわりを世話する幕下以下の力士

付け人とは、十両(番付では十枚目と書きます)以上の関取の下に配属されて、その身のまわりの世話をする幕下以下の力士のことです。

仕事の範囲は、まわしの着け外し、洗濯、入浴と、身辺のいっさいに及びます。関取が土俵に上がるまでの支度は、どこかで付け人の手を通っていると思ってもらって差し支えありません。

付け人という言葉が指しているのは、次の範囲です。

相撲の付け人

十枚目以上の関取の下に配属されて、廻しの着け外し、洗濯、入浴など、その身辺の世話いっさいをする幕下以下の力士のこと。「若い者(もん)」ともいう。十枚目で二〜三名、幕内で三〜四名がつき、横綱には八〜一〇名がつく。また、親方にもつく。原則として同部屋の幕下以下の力士がつとめるが、小人数の部屋では同門の大きな部屋から人員を借りることもある。

付け人は関取や親方の世話をしながら相撲社会のしきたりや礼儀、相撲そのものを学ぶ。同時に関取には付け人にそれらを教え、力士として強く育てる義務と責任がある。

参考:『相撲大事典』第4版、金指基 原著、現代書館

世話をする側と、される側。そう書くと一方通行に見えますが、教わる側と教える側という関係でもあります。

「付き人」と「付け人」はどちらが正しい?

相撲の用語として整理されているのは「付け人」のほうです。意味は上に挙げたとおりで、この記事でも解説は「付け人」で通します。

ただ、僕がいた部屋で口にしていたのは「付き人」でした。日常の会話では、こちらの言い方もよく耳にします。

呼び方が分かれても、仕事の中身が変わるわけではありません。

「若い者(もん)」とも呼ばれる

付け人には、「若い者(もん)」というもう一つの呼び方があります。

これも言い換えであって、別の役目ではありません。部屋を紹介する番組などでこの言葉を聞いたら、付け人のことだと思ってください。

参考:『相撲大事典』第4版、金指基 原著、現代書館

相撲観戦大好き さくら
相撲観戦大好き さくら

世話をする係、とだけ思っていました。
関取のほうにも、育てる責任があるんですね。
中継で後ろに立っている人を見る目が、変わりそうです。

なお、十両と幕下のあいだにどんな線が引かれているのかは、幕下を扱った記事のほうで詳しく書いています。

大銀杏を結った関取と丁髷の幕下力士が土俵の前で向かい合うイラスト
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付け人は何人つく?番付によって変わる

付け人の人数は、世話をする関取の番付によって変わります。下は二名から、上は十名近くまで幅があります。

では、どの番付に何人つくのでしょうか。

※スマートフォンでは、表を横にスクロールできます

番付 付け人の数
十枚目(十両) 2〜3名
幕内 3〜4名
横綱 8〜10名

この人数は目安です。部屋の力士の数や、その場所の事情によって増減します。

横綱に八〜十人つく理由

十枚目で二〜三名だった人数が、横綱では八〜一〇名になります。段が上がるほど増えるというより、横綱のところで跳ね上がる形です。

横綱には、ほかの番付にないものが加わります。土俵入りで締める綱です。

綱は、買ってくるものではありません。横綱が所属する部屋で、部屋や一門の力士が集まって作ります。紅白のねじり鉢巻きに白手袋という姿で、太鼓に合わせて掛け声をそろえ、麻をよりあわせていきます。作るのは、新横綱が誕生したときと、年三回の東京本場所の前です。

そして本場所では、その綱を化粧まわしの上に着ける作業があります。支度部屋でこれを行うのが付け人で、5〜6人がかりの仕事です。

綱の重さは、横綱の体格によって変わります。ひとりで抱えて締められるものではなく、何人もで引くので、引かれる側の横綱は体を持っていかれます。そこで1人が前に立ち、横綱が踏ん張れるように支えになります。

支度部屋での作業なので、ふだんは観客の目に触れません。ただ、引退相撲などの花相撲や地方巡業では、余興として土俵の上で実演されることがあります。

土俵に上がるたびに、これだけの人数が動きます。こうした横綱特有の仕事も、付け人が多くなる理由の一つです。

参考:『相撲大事典』第4版、金指基 原著、現代書館/『裏まで楽しむ!大相撲』ダグハウス編、KADOKAWA、2017年

親方にも付け人はつく

付け人がつく相手は、関取に限りません。親方にもつきます。ここでいう親方とは、部屋の師匠を含む年寄のことです。

親方は土俵を下りた立場ですが、部屋の運営や協会の仕事があります。その身のまわりを見る役目も、やはり幕下以下の力士に回ってきます。

管理人の後輩 元力士 まさる
管理人の後輩 元力士 まさる

八人から十人って、小さい部屋なら若い衆が総出になる数だよね。
綱を作るのも、場所中に着けるのも、ぜんぶ人の手でやるんだ。
機械で締められるものじゃないからね。

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付け人は誰が、どうやって決まる?

誰が誰につくかは、部屋の中で割り振られます。割り振り方は部屋によって違い、僕がいた部屋では師匠が決めていました。

原則は同じ部屋の幕下以下

付け人をつとめるのは、原則としてその関取と同じ部屋の幕下以下の力士です。

同じ屋根の下で暮らし、稽古場でも本場所でも動きをともにする相手なので、組み合わせは部屋の中で完結します。

違う部屋の力士がつくこともある

例外もあります。小人数の部屋では、同門の大きな部屋から人員を借りることがあります。

部屋の中だけでは人数を確保できないときに、外から手を借りる形です。ただし、どの部屋からでも借りられるわけではありません。

参考:『相撲大事典』第4版、金指基 原著、現代書館

僕の部屋では、番付発表の日に決まった

では、その割り振りはいつ決まるのでしょうか。ここからは、僕が関取の付き人をしていたころの話です。

番付発表の日の張り紙

僕がいた部屋では、番付発表の日に、番付に応じた役割が張り出されていました。ちゃんこ番や付き人など、誰が何をやるのかが紙で分かります。

付き人を外れたのも、この番付発表のときでした。付き人をやるか、ちゃんこ番をやるか。そういう割り振りだったと記憶しています。

自分の番付が決まる日は、次の場所までの過ごし方が決まる日でもありました。

番付が動けば、部屋の中の役割もその日に張り替わります。誰が誰につくのかも、紙を見て知りました。

しんざぶろう
しんざぶろう

誰につくかを決めるのは師匠です。
ですから次の場所では、別の関取に付いているかもしれません。
紙が貼り替わるまで、こちらからは何も分からないんですよね。

ちなみに、張り紙に出てくるちゃんこ番については、ちゃんこ長を扱った記事のほうで詳しく書いています。

ちゃんこ長のイメージイラスト
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付け人の一日|稽古場でしていたこと

ここからは、僕が関取の付き人をしていたころの一日です。部屋によって細かいところは違うので、僕がいた部屋の話として読んでください。

朝、関取を起こして、まわしを付ける

一日は、頼まれた時間に関取を起こすところから始まります。

起こしたら、前もって準備しておいたまわしを持っていって、その場で付けます。稽古で使うまわしなので、本場所の締め込みとは別のものです。

自分の身支度より先に、関取の支度に入ります。付き人の一日は、関取の一日に合わせて動きます。

タオルを持って、できるだけ近くにいる

稽古場では、できるだけ関取の近くにいます。用事で呼ばれたときに、すぐ動けるようにするためです。

関取が稽古に入れば、タオルを持って背中の汗や砂を拭いたり、叩いて落としたりします。補佐に徹する時間です。

難しかったのは、これらが、言われてからやる仕事ではなかったことでした。

言われなくてもやらなくてはなりません。どのタイミングで何をしたらいいのかは、その場の感じと、兄弟子の対応を見て覚えました。

付け人は世話をしながら相撲社会のしきたりや礼儀を学ぶ、と言葉にすると短いのですが、中身はこういう細かい判断の積み重ねです。

砂が多いときは「汗かき」を使う

背中に砂がたくさんついてしまったときは、タオルではなく「汗かき」を使いました。

竹を縦に割ってU字形に曲げた道具で、別名を「竹ベラ」といいます。真竹の節と節のあいだが45センチ以上あるものを、約1.5センチの幅で縦に割って作ります。

タオルでぬぐうのとは違って、汗を中からかき出すような感じがします。そのそう快さから、昔から使われてきた道具です。

砂をタオルで落としていたら、拭くための布がすぐ使えなくなります。なるべくタオルを汚さないようにという、細かいところにも気を遣っていました。

参考:『相撲大事典』第4版、金指基 原著、現代書館

管理人の後輩 元力士 まさる
管理人の後輩 元力士 まさる

タオルを持って立っている時間が、けっこう気を張るんだ。
関取の動きが止まった瞬間に出ないと、もう遅いからね。
だから目は土俵から離せないし、足も半歩前に置いておく。

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稽古が終わってから、夜まで

稽古が終わっても、付き人の一日は終わりません。ここから先は、部屋の中での仕事に変わります。

風呂班と給仕班に分かれる

稽古が終わると、付き人どうしで役割を分けます。僕がいた部屋では、風呂の対応と、上がってからの食事の給仕の二つでした。

この分かれ方は、部屋によって違います。付け人ごとに担当する体の部位を決めているところもあります。

■稽古のあとの担当の分かれ方

  • 付け人ごとに、担当する体の部位を決める
  • 風呂の対応と、食事の給仕で分ける(僕がいた部屋)

どちらかが正しいということではなく、部屋ごとに形が違うということだと思います。

昼寝のあとも、掃除と夕飯の給仕

昼寝が明けても、仕事は続きます。部屋の掃除をして、夕飯の給仕に入ります。

このあたりまでが、僕がいた部屋で決まっていた一日の形でした。

自由時間は、関取が出かけている時間

夕飯の給仕が済めば、あとは基本的に自由です。

ただし、この自由には条件があります。関取が部屋にいない時間が、そのまま付き人の自由時間でした。

付け人は、関取が「来い」と言えば行動をともにします。行きつけのサウナやスパに行くときも一緒に行って体を流し、食事や買い物にも付いていきます。そういう場では、関取が御馳走をしたり、欲しい物を買ってあげたりします。

一方で、単独行動が好きだったり、家族があったりして、プライベートでは付け人を付けない関取もいます。

僕が付いていたころは、プライベートに一切ついて行きませんでした。関取が一人で出かけているあいだ、部屋に残って気を遣わずに過ごせたということです。

とはいえ、夜に呼ばれることもあります。夜食などの買い出しを頼まれることも、僕がいた部屋ではよくありました。

一日を通して、気が休まることはなかったと思います。

参考:『裏まで楽しむ!大相撲』ダグハウス編、KADOKAWA、2017年

相撲観戦大好き さくら
相撲観戦大好き さくら

自由な時間が、関取が出かけている時間と重なっているんですね。
自分の予定で決まるものだと思っていました。
一日じゅう気が休まらない、という意味が少し分かった気がします。

あわせて、稽古や休みの日をどう過ごしていたのかは、幕下以下の生活を扱った記事のほうでまとめています。

時計とカレンダーの画像
幕下以下の力士ってどんな生活なの?日々の稽古や休日を紹介するよ!幕下以下の力士の日常生活に焦点を当て、彼らが厳しい稽古と生活環境の中でどのように過ごしているのかを解説。基本的なスケジュールや待遇、休日の過ごし方について、元力士の視点からリアルなエピソードを交えながら紹介します。...

本場所の付け人|化粧まわし・締め込み・さがり

本場所に入ると、付き人の仕事は装いに集中します。関取に許されているものに、絹の締込、共布の下がり、土俵入りの化粧まわしがあります。

これらを実際に手に取って着けるのが、付け人です。

土俵入りには化粧まわし、取組には締め込み

本場所の一日は、土俵入りに合わせて化粧まわしを付けるところから始まります。

取組では締め込みに替えます。土俵入りと取組で、着けるものが変わるということです。

つまり付け人が扱うのは、関取になって初めて許される品です。自分ではまだ締められないものを、毎日手に取ることになります。

参考:『相撲大事典』第4版、金指基 原著、現代書館

さがりは、ふのりで固める

さがりは、締め込みの間に挟んで垂らす飾りです。土俵の上で前を隠す意味があるとされています。

関取のさがりは、締め込みと同じ織物の縦糸だけを束ねて作ります。くしを通してほつれを整え、ふのりで丸く棒状に固め、先端だけを平たくつぶして、下がり板に張って乾かす。中継で見るとピンと立っているのは、この工程を通っているからです。

僕がいた部屋でも、場所前にふのりを溶かしたものを塗って固めていました。取組中に折れ曲がることがあるので、予備も用意して場所に入ります。

一方で、幕下以下のさがりは木綿製の丸いひもで、ふのりでは固めません。

自分が締めているものと、手入れをしているものが違う。付き人をしていたころは、毎場所それを手元で見ていました。

支度部屋はピリピリしている

本場所の支度部屋には、自分が付いている関取のほかに、他の関取衆もいます。同じ場所に、番付の上の力士が並んでいる状態です。

他の関取衆もいるので、かなり緊張しました。本場所中はピリピリしているので、何をするにも気を遣いました。

仕事そのものは、取組前の準備運動の対応と、終わったあとの風呂の対応です。並べて書くと短いのですが、稽古場と同じようにはいきませんでした。

準備運動の対応では、関取の取組前に、立ち合いの確認のために胸を出したこともあります。当然残ることはできず、軽く吹き飛ばされました。役に立てているんだろうか、と申し訳なく感じたのを覚えています。

そんな支度部屋も、観客が入れる場所ではありません。国技館ツアーで中を紹介した投稿があります。

しんざぶろう
しんざぶろう

支度部屋は、自分が付いている関取だけを見ていればいい場所ではありません。
まわりにも番付が上の力士が座っていますから、何をするにも気を配ります。
手順は稽古場と変わらないのに、体の動きだけが硬くなりました。

このほか、大きな相手の当たりを受け止めるとどうなるのかは、熱海富士関を扱った記事のほうで書いています。

熱海富士 朔太郎(伊勢ヶ濱部屋)
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付け人に給料は出る?

協会から月給が支給されるようになるのは、十枚目に上がって関取になってからです。付け人をつとめる幕下以下の力士に、その月給はありません。

ここでいう月給とは、関取に支給される月々の給与のことです。幕下以下にも、本場所ごとの手当と幕下以下奨励金は協会から支給されます。

では、付け人の仕事に対して何も入ってこないのかというと、そうではありません。付け人をしていると、世話をしている関取から心づけや小遣いとしてお金を受け取ることがあります。

参考:『相撲大事典』第4版、金指基 原著、現代書館

僕の場合は、関取から1場所3万円ほど

金額や渡し方は、関取や部屋によって違います。僕が見ていた範囲では、その部屋のこれまでのやり方を参考に決めることが多く、実際に渡す額は関取の性格や付き人の仕事ぶりによっても変わるようでした。

ここからは、僕が関取の付き人をしていたころの話です。

元力士がもらった額

僕が関取の付き人をしていたときは、1場所ごとに3万円ほどいただいていました。

渡されるのは、場所が終わったときです。日ごとや月ごとではなく、場所の区切りで手渡されていました。

お釣り、食事、遠征先のごちそう

入ってくるのは、この3万円に限りません。金銭以外でも、何かと面倒を見てもらうことがありました。

■報酬のほかにあった実入り

  • おつかいを頼まれたときに、お釣りをもらう
  • 食事をごちそうしてもらう
  • 遠征先では、関取の奢りで豪華な食事

とくに遠征先での食事は、付き人生活の中での楽しみの一つでした。

管理人の後輩 元力士 まさる
管理人の後輩 元力士 まさる

これ、協会から出るお金じゃないから、給料とはちょっと違うんだ。
場所が終わったあとに手渡しでもらうと、十五日ぶんの重さがあるよ。
金額そのものより、渡された場面のほうを覚えていたりするなあ。

さらに、番付によって力士の収入がどう変わるのかは、給料を扱った記事のほうでまとめています。

お金と財布の画像
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付け人に関するよくある質問

最後に、付け人について寄せられやすい疑問をまとめておきます。

Q1. 付き人と付け人は何が違うのですか?

A. 相撲の用語として整理されているのは「付け人」のほうです。ただ、日常の会話では「付き人」もよく使われ、僕がいた部屋でもそう呼んでいました。仕事の中身に違いはありません。

Q2. 違う部屋の力士が付け人につくのはなぜですか?

A. 部屋の中だけでは人数が足りないことがあるからです。その場合は、同門の部屋から人員を借ります。少人数の部屋で起きやすいほか、関取の人数や休場といった事情で手が足りなくなることもあります。

Q3. 付け人はいつまで続けるのですか?

A. 僕がいた部屋では、番付発表が一つの区切りでした。その日に役割が張り出され、割り振りが決まります。僕自身は一年ほどつとめて外れています。十両に上がれば、今度は付け人が付く側になります。

Q4. 付け人を断ることはできますか?

A. 僕がいた部屋では、番付発表の日に張り出された役割が、そのまま割り振りでした。希望を出す場ではありません。他の部屋のやり方までは分かりませんが、少なくとも僕は、張り紙を見て自分の役割を知りました。

Q5. 親方や行司にも付け人はつくのですか?

A. 親方にはつきます。付け人がつく相手は、十枚目以上の関取と、部屋の師匠を含む親方です。行司の世界にも付け人の仕組みがあり、三段目格以下の行司が上位の行司の付け人をつとめます。ただし、力士がつくものとは別の関係です。

まとめ

付け人は、十両以上の関取の身のまわりを世話する、幕下以下の力士です。何人つくかは番付によって変わり、誰が誰につくかは部屋の中で割り振られます。関取のような協会からの月給はありませんが、世話をしている関取から心づけや小遣いを受け取ることがあります。

僕が付き人をしていたのは一年ほどですが、そのあいだに覚えたのは、まわしの付け方やタオルの使い方にとどまりません。

声をかけられる前に動くこと。誰かの手元を見て、次に何が要るかを考えること。土俵の上では星にならない部分ですが、あの一年で体に入りました。

中継で関取が土俵に上がるとき、後ろでまわしを直したり、タオルを差し出したりしている力士が映ることがあります。その人にも番付があり、その日の取組があります。次に相撲を見るときは、そちらにも目を向けてみてください。

AI横綱くん
AI横綱くん

うむ。まわしを付け、汗を拭き、砂を落とす。
どれも記録には残らぬが、力士はそこで相撲を覚えていくのだ。
次に横綱が土俵に上がるとき、その後ろにも目をやってほしい。

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